本記事は米国株の中でもベントレー・システムズ(BSY)に関する記事となっています。
本記事はこのような疑問に答えます
- ベントレー・システムズとは?
- ベントレー・システムズの将来性や財務状況は?
- 取り扱っている証券会社は?
- ベントレー・システムズの配当は?
ベントレー・システムズとは?
ベントレー・システムズは、産業や建築、公共事業などのエンジニアリング向けのソフトウェア製品を提供している企業です。
ベントレー・システムズのソフトウェア製品としてはiTwinプラットフォームというものがあり、実際の建築や産業などで必要な現実の空間情報を取得し、サーバー上で再現するデジタルツインなどを行うものがあります。
そのiTwinプラットフォームを基盤にエンジニアリングアプリケーションやジオプロフェッショナルアプリケーション、エンタープライズソリューション、産業ソリューションなどのソフトウェアを提供しています。
ちなみに下記はベントレー・システムズの主なソフトウェア製品を示したものです。
出典:Bentley Systems 2021 Annual Report
まず、エンジニアリングアプリケーションにおいては様々な3D設計を行うMicroStationや橋の3D設計を行うOpenBrige、建物やそれらに付随する配管や電気系統の3D設計を行うOpenBridge。
洪水のモデリングや水道、排水など計画などを行うOpenFlows、都市計画や交通計画などを行うEMME、歩行者シュミレーションのLEGIONなどがあります。
また、ジオプロフェッショナルアプリケーションでは、トンネルの建設や採掘での地盤工学解析用のPLAXISや斜面の安定性、土砂などの物質の動きを解析するGeoStudio。
地球物理学や地質学解析などに使用されるOasis montajなどがあります。
一方で、エンタープライズシステムズでは、エンジニアが作成したものの共有などが行えるProjectWiseや4D建設モデリング用のSYNCHROなどが含まれています。
そして、産業ソリューションでは、風力タービンの設計用であるOpenWindPowerや5Gなどの通信塔を設計するためのOpenTower、電気、ガスのネットワーク設計や管理のためのOpenUtilitiesなどがあります。
また、186カ国で3万9000以上の顧客アカウントが存在し、主な収益源はこれらのソフトウェア製品の機能の充実性や期間、利用料などによって変化するサブスクリプションで2021年時点で収益の84%を占めていました。
その他は、永久ライセンスの販売、コンサルティングや技術的トレーニングなどのサービスとなっています。
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競合企業
ベントレー・システムズの競合としては2Dの製図や3Dのモデリングなどを行えるAutoCADや機械設計ツールなど開発者向けのソフトウェア製品を提供するオートデスクが挙げられます。
また、建設業向けの開発ソフトウェアや輸送業界向けの効率化などを行うソフトウェアなどを提供するTrimbleや現実の地理空間情報を取得し、マッピングや事故分析を行うジオメディアなどのソフトウェア製品を扱うHEXAGON。
その他にも、アヴィバやNemetschek Group、アスペンテック、オラクルなどが挙げられます。
- オートデスク
- Trimble
- HEXAGON
- アヴィバ
- Nemetschek Group
- アスペンテック
- オラクル
ベントレー・システムズの将来性
出典:株式会社グローバルインフォメーション
ベントレー・システムズが主に関連する市場は、主に3Dマッピングやモデリングの市場となりますが、この世界市場は2021年から2027年にかけて上記図からも分かる様に2倍以上の146億ドル規模にまで拡大する見通しです。
このことからもベントレー・システムズの関連する市場の成長性自体には問題は無いと言えそうです。
また、ベントレー・システムズの提供する3Dマッピングやモデリングのソフトウェアは近年増加している土砂災害や洪水など自然災害のメカニズムや検証にも使える点。
そして、建築などでは図面などでは把握の難しい箇所の把握のしやすさや現実空間の実際の状態を取り込みより綿密に設計ができたり、図面でやるよりも手直しが簡単で時短になったりと需要自体も大きいのではないかと思われます。
一方で3Dマッピングやモデリングの市場における競合の状況は、確かに競合の数自体は多いですが、現状はこれといって市場のシェアを大きく取っているものも見られず、圧倒的に優位にある企業もいません。
よって市場の成長性や競合の状況から見て、ベントレー・システムズの将来性はまだまだ明るいといえるのではないでしょうか。
財務状況
以下はベントレー・システムズの財務状況などを示したものとなっています。
営業利益
上記は、ベントレー・システムズの営業利益を示したものとなっています。
営業利益は企業が本業で得た利益を示しています。
ベントレー・システムズの場合、2020年までは順調な増加傾向にありましたが、2021年では2018年をも下回る状態となっています。
EPS
上記はベントレー・システムズのEPSを示したものとなっています。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標となります。
ベントレー・システムズの場合、2020年と2021年を比較するとやや増加していることが見て取れます。
営業利益率
上記はベントレー・システムズの営業利益率を示したものとなっています。
営業利益率は一般的に10%〜15%以上が優良とされている水準とされています。
ベントレー・システムズの場合、2018年から2020年にかけて上昇傾向かつ15%以上を推移していましたが、2021年では大きく下がってしまったことが見て取れます。
自己資本比率
上記はベントレー・システムズの自己資本比率を示したものとなっています。
自己資本比率はおおよそ企業の安定性を示すもので、30%以上がおおよその目安とされています。
ベントレー・システムズの場合、2019年、2020年は30%を超えていましたが、2021年は大きく基準を下回っており、やや不安定さが見て取れます。
営業活動によるCF
上記はベントレー・システムズの営業活動によるCFを示したものとなっています。
営業活動によるCFは企業の手元現金の推移を示しています。
ベントレー・システムズの場合、2018年から2021年にかけて大きく増加していることが分かります。
配当性向
上記はベントレー・システムズの配当性向を示したものとなっています。
ベントレーシステムズの場合、配当が2020年からのため、配当性向も2020年からとなっていますが、さすがに配当がはじまったばかりのため、配当性向はかなり低く推移していることが分かります。
事業別収益
収益 (千$) | 2021 | 2020 | 2019 |
サブスク | 812807 | 679273 | 608300 |
永久ライセンス | 53080 | 57382 | 59693 |
サービス | 99159 | 64889 | 68661 |
合計 | 965046 | 801544 | 736654 |
上記はベントレー・システムズの事業別収益を示したものとなっています。
全体としては収益は増加傾向にあり、メインの収益源であるサブスク収益も順調な増加を見せていますが、永久ライセンスの収益に関しては減少傾向が見られます。
配当金
以下はベントレー・システムズの年間配当金の推移を示したものです。
西暦 | 配当金 |
2021 | 0.12$ |
2020 | 0.03$ |
コメント・考察
ベントレー・システムズは、上場は2020年と割と最近の上場ですが、きっちりと収益は上げられており、営業利益はプラスで主な収益源もサブスクという比較的安定した収益である点は好感の持てる部分たと思います。
一方で、2021年では営業利益が大きく下がっている部分が気になりますが、主な収益源であるサブスク収益自体は2021年も増加しているため、収益源自体に問題があったわけでは無い様です。
理由としては、ベントレー・システムズの年次報告書によると2020年と比べて人件費のコスト増加や研究開発費などの経費増加。
また、特に2020年は17万7000ドルだった繰延報酬が、2021年には9504万6000ドルと大幅な増加となっている点からだと思われます。
ただ、主な収益源であるサブスク収益は増加傾向にありますし、経費の部分も一時的なものが多いため、特段2021年の営業利益の減少を心配する必要は無いと思われます。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でベントレー・システムズの取り扱いの有無を示したものです。
証券会社 | 楽天 | sbi | マネックス | PayPay | DMM | 松井 | 大和 | 野村 |
取り扱い有無 | 有 | 有 | 有 | 無 | 有 | 有 | 有 | 有 |
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