今回は米国株の中でもアーム・ホールディングス(ARM)に関するものです。(https://www.arm.com/ja/)
本記事はこのような疑問に答えます。
- アーム・ホールディングスとはどのような企業か?
- アーム・ホールディングの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- アーム・ホールディングスの配当金は?
アーム・ホールディングス(ARM)とは?
アーム・ホールディングスは半導体設計を行っている企業です。
主にCPU製品や関連技術の設計、開発、ライセンス提供を行っており、アームのArmCPUはスマホやPC、データセンター、産業用ロボット、車両用システムなど様々な分野で実行が可能です。
また、GPU製品ファミリーやシステムIP、計算プラットフォーム製品なども展開しています。
ArmCPUのライセンは多くの企業が活用しており、AmazonやGoogleといったIT企業からAMDやインテル、クアルコムなど多くの半導体企業がアームベースのチップを展開しています。
主な収益形態としてはアームベースのチップを開発することができるようにするためのライセンス料がメインとなっています。
現状はソフトバンクグループが大株主となっており、2023年9月にソフトバンクグループの傘下として上場しています。
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競合企業
アーム・ホールディングスの競合企業としてはIPコアなどを展開しているリリック・セミコンダクターや英国の半導体企業でグラフィックスプロセッサー、ビデオプロセッサーなどのIPを提供しているイマジネーションテクノロジーズがあります。
また、半導体に必要な設計ツールやIPを提供しているシノプシスやセンサー関連のIPコアなどを提供しているセンシングコアなどが挙げられます。
- リリック・セミコンダクター
- イマジネーションテクノロジーズ
- シノプシス
- センシングコア
アーム・ホールディングスの将来性
アーム・ホールディングスの将来性としては期待できる部分はあると言えるでしょう。
まず、一つ目の理由としては半導体の設計図(IP)を提供するビジネスモデルである点が挙げられます。
アーム・ホールディングスは自社ではチップを製造することなく、多くの半導体企業に半導体設計図(IP)を提供し、そのライセンス料から収益を挙げているため、製造を行う半導体企業と違い在庫を抱えるリスクや製造コストなどが無く、資金効率よく収益を得ることができます。
一方でこの半導体の設計図を他の企業や半導体企業が1から作ることは膨大なコスト、時間がかかることや互換性の懸念などから非常に難しい部分があります。
実際に半導体の設計図を1から作るとなると膨大な労力をかける上に品質や性能が保証されなかったり、アーム技術を含むチップの市場シェアはすでに48.9%に達しており、不具合の可能性が潜む新たな設計図に乗り換える顧客は少ないと言えるでしょう。
よって新たに作ることが非常に難しく、在庫などを抱えるリスクなどもない半導体の設計図(IP)を提供するビジネスモデルはアーム・ホールディングスにとって大きな強みだと言えるでしょう。
もう一つの理由としては圧倒的なシェアが挙げられます。
アームベースのチップはライセンス供与といった形で多くの半導体企業に提供、ライセンスをもとに多くの半導体企業で自社の製品に合わせてカスタマイズしてチップを展開するため、事実上多くの製品でアームベースのチップが採用されます。
実際にスマホではほとんど全てにおいてアームベースのチップが搭載されており、家電やデバイス機器、クラウド、自動車など様々な製品に搭載、世界人口の約70%がアームベースのチップを搭載した機器を使用していると推定されています。
よってこのアームベースのチップの搭載幅の広さや圧倒的なシェアという点で強みがあると言えるでしょう。
これらの点を鑑みるとアーム・ホールディングスの将来性としては期待できる部分はあるかと思われます。
アーム・ホールディングスの今後に対する期待度
以下はアーム・ホールディングスの今後に対する期待度を示したものです。
ちなみに期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身が思うアーム・ホールディングスの今後に対する期待度にぜひ投票してみてください。
財務状況
以下はアーム・ホールディングスの財務状況などを示したものです。
営業利益
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上記はアーム・ホールディングスの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
アーム・ホールディングスの場合、2022年以降大きく増加していることがみて取れます。
営業利益率
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上記はアーム・ホールディングスの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされるものです。
アーム・ホールディングスの場合、全体として10%を上回っていることが見て取れます。
自己資本比率
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上記はアーム・ホールディングスの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上が目安とされています。
アーム・ホールディングスの場合、大きく30%を上回っていることが見て取れます。
営業活動によるCF
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上記はアーム・ホールディングスの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
アーム・ホールディングスの場合、2022年に大きく減少していることが見て取れます。
事業別収益
以下はアーム・ホールディングスの事業別収益を示したものです。
収益(百万$) | 2023 | 2022 | 2021 |
外部顧客からの 収益 | 2025 | 2219 | 1579 |
関連当事者からの 収益 | 654 | 484 | 448 |
合計 | 26790 | 2703 | 2027 |
配当金
現時点ではアーム・ホールディングスは配当金を出していません。
現状アーム・ホールディングスが配当金を出すのはまだ先となりそうです。
コメント・考察
アーム・ホールディングスは以前、GPUの開発を主に行っている半導体企業のエヌビディアへの買収の話題が持ち上がっており、ソフトバンクグループも資金調達のために前向きな姿勢を見せていました。
しかし、エヌビディアによるアーム・ホールディングスの買収は多くの半導体企業やソフトウェア企業の反対に直面しました。
例えば、インテルはアームがエヌビディアに買収されるとパソコン市場やデータセンター市場で不利になることを訴えたり、テスラやAmazonなどもこの買収が起きると競争上大きく不利な状況が起きるなどの懸念を表明。
その結果としてエヌビディアによるアームの買収は承認が得られず却下となり、結局のところアーム・ホールディングスは上場による資金調達に変更されました。
そのため、この買収話は様々なところから大きな反対の声が上がったことからも分かるようにアーム・ホールディングスは非常に様々な市場や製品のチップ開発に関わっており、非常に重要なポジションを占めていることが再確認できる出来事だったと言えるでしょう。
この点で買収に多くのビッグテック企業が反対するほど他に変わる競合がほとんど存在しない点や多くのチップを開発する企業で必須とされている点、在庫を抱える必要のなく、資金効率の良い事業形態はアーム・ホールディングスの非常に強力な強みかと思われます。
アーム・ホールディングスはどこで買える?
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でアーム・ホールディングスの取り扱い有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 無 |
PayPay | 無 |
松井 | 有 |
大和 | 有 |
野村 | 有 |
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