本記事は米国株の中でもカーバナ(CVNA)に関する内容となっています。
本記事はこのような疑問に答えます
- カーバナとはどのような企業か?
- カーバナの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- カーバナの配当金は?
カーバナとは?
カーバナは中古車を販売するeコマースプラットフォームを展開している企業です。
カーバナのeコマースプラットフォームの特徴としては、特許取得済みの360°車両画像化技術を使用した検査や資金調達、保証の適用、車両の購入、配送、集荷のスケジュール設定を全てパソコン、スマホから行うことが可能。
顧客は写真やサービス記録を提供することなく、いくつかの質問に答えるだけで全体的な購入プロセスを完了することができ、おおよそ10分程度でできる点が挙げられます。
米国全土に保管されている71000以上の在庫は独自のアルゴリズムによって最適化、独自の物流ネットワーク運用して最短で翌日に直接車を顧客に届けています。
また、特定の市場の顧客には特許取得済みの購入した自動車を保管するガラスタワー型の自動販売機で車両を受け取ることもできます。
2013年の立ち上げから2021年12月時点でおおよそ100万台の自動車を顧客に販売し、社内販売ネットワークサービスは米国のおおよそ81%の人口をカバーしています。
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競合企業
カーバナの競合企業としては、自動車のオンラインマーケットサイトを展開しているAutoTraderや自動車分野のウェブトラフィックや販売促進技術などを展開するプロバイダーであるAutoWebが挙げれrます。
また、自動車の買い手と売り手を結びつけるデジタルマーケットプレイスを展開しているCars.comや自動車や自動車に関連する製品のebayモーターズも展開しているebayがあります。
他にもTrueCarやKBB.com、Shiftなどが挙げられます。
- AutoTrader
- AutoWeb
- Cars.com
- ebay
- TrueCar
- KBB.com
- Shift
カーバナの将来性
カーバナの将来性としては不安定な部分が多いかと思われます。
理由としてはまず、中古車の市場価格に大きく左右される点です。
例えば、カーバナは中古車の販売による利益が主な収益源ですが、仮に中古車価格が大幅に上昇すると顧客は新車の方に魅力を感じて販売車数が減少する可能性があります。
一方で中古車価格が大きく減少すると今度は利益率の低下に繋がります。
特に直近では中古車価格の上下が大きくそれに依存した収益を不安定化させる可能性は高いと言えるでしょう。
もう一つの理由としてはライドシェアの台頭が挙げられます。
例えば、Uberやリフトといった企業はライドシェア、さらには電気自動車や自動運転によるライドシェアの普及を推し進めています。
このようなライドシェアが普及するにつれてRethinkXシンクタンクのTonySebaとJamesArbibのレポート予測によると米国での自動車所有は2030年までに8割が減少するという予測を行っています。
仮にここまでの減少はなかったとしてもそのレポートでも示されているようにライドシェアを活用する方が1マイルあたりのコストが4〜10倍ほど安くなるのであれば、費用だけを考えても自動車の所有を辞めてライドシェアに流れる可能性は十分に考えられます。
その点米国で中古車を販売するカーバナは必然的に全体的な市場が小さくなり、ビジネスモデル自体が厳しくなる可能性があると言えるでしょう。
とはいえあくまでも予測であり、必ずその流れになるかは定かではありませんが、ただライドシェアの普及がカーバナの事業での今後の最も潜在的なリスクであることは念頭に置いておいた方が良いかと思われます。
そしてもう一つの理由としては、カーバナの負債の急激な増加が挙げられます。
年次報告書によるとカーバナの2020年12月時点の債務は約17億ドル程度でしたが、2021年12月時点では一年で約54億ドルにまで膨れ上がっています。
1年でおおよそ3倍にも膨れ上がっており、財務状況に不安感があります。
これらの点を踏まえるとカーバナの今後としては不安定な部分が多いかと思われます。
財務状況
以下はカーバナの財務状況などを示したものです。
営業利益
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上記はカーバナの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
カーバナの場合、全体としてマイナスで推移していることが見て取れます。
EPS

上記はカーバナのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標となるものです。
カーバナの場合、全体としてマイナスで推移していることが見て取れます。
営業利益率
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上記はカーバナの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上がおおよそ優良な企業の水準とされています。
ガーバナの場合、マイナス幅は縮小していますが、以前としてプラスには転換していません。
自己資本比率
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上記はカーバナの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので、30%以上がおおよその目安とされています。
ガーバナの場合、2020年では10%以上まで上昇しましたが、再び4%前後に戻ってしまっていることが見て取れます。
営業活動によるCF
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上記はカーバナの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
カーバナの場合、全体としてマイナスで推移しており、2021年では特に大きくマイナスが拡大していることが見て取れます。
事業別収益
以下はカーバナの事業別の収益を示したものです。
収益(百万$) | 2021 | 2020 |
中古車販売 | 9851 | 4741 |
卸車販売 | 1920 | 445 |
その他 | 1043 | 401 |
合計 | 12814 | 5587 |
配当金
現時点ではカーバナは配当金を出していません。
現状カーバナが配当金を出すのはまだ先となりそうです。
コメント・考察
カーバナの従来のディーラーのように直接対面ではなく、オンラインで10分ほどで完結に自動車が購入できる仕組みは従来の煩雑な手続きが無く、顧客にとって利便性の高いものだと思われます。
また、自動車をとりに行く必要が無く、配送してくれる点は便利ですし、購入した自動車をガラスタワー型の自販機で受け取ることができる仕組みは面白いシステムだと言えるでしょう。
一方でカーバナの収益源である中古車販売は直近では販売価格が下落傾向にあり、利益率が下がる可能性が高いという短期的な問題があります。
それに加えて、中長期的にも大きくなった負債の利息費用の増加やライドシェアの普及によりどれくらい米国において自動車の所有に影響をもたらすのかといった問題が挙げられます。
全体としてカーバナは短期的にも、中長期的にも難しい状況が続くのではないかと思われます。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている日本の証券会社の中でカーバナの取扱の有無を示したものです。
証券会社 | 楽天 | sbi | マネックス | DMM | PayPay | 松井 | 野村 | 大和 |
取扱有無 | 有 | 有 | 有 | 有 | 無 | 有 | 有 | 有 |
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