本記事は米国株の中でもラム・ウェストン・ホールディングス(LW)に関するものとなっています。
本記事ではこのような疑問に答えます
- ラム・ウェストン・ホールディングスはどのような企業か?
- 競合企業や財務状況は?
- ラム・ウェストン・ホールディングスの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や配当金は?
ラム・ウェストン・ホールディングス (LW)
ラム・ウェストン・ホールディングスは、ポテト製品の生産や流通を行っている企業です。
2016年にコーンアグラ・ブランズから分離し、完全に独立することで誕生。
主要な製品は冷凍ポテトであり、その大部分を占めるのが様々な形状にカットされたフライドポテトで、その他にはマッシュポテトやサツマイモ製品などがあります。
出典:米国のばれいしょの生産および輸出動向(前編) (独立行政法人農畜産業振興機構)
上記は、ばれいしょ(じゃがいも)の基本的な流通構造を示したものです。
基本的にはこの中でラム・ウェストン・ホールディングスが位置するのは紫の部分の加工業者にあたり、フライドポテトなどに加工したものを飲食チェーン店などに提供しています。
ラム・ウェストン・ホールディングスのポテト製品の原材料となるじゃがいもの生産地域は主に米国ではアイダホ州、ワシントン州、オレゴン州が主な地域となっています。
加えて、ラム・ウェストン・ホールディングスでは、自社農場での生産も行っています。
そのほかではヨーロッパではドイツやイギリス、フランスなど、またカナダや中国、オーストラリアなどで生産しています。
主要な顧客は、大手の食品会社やチェーン店、小売店などがあり、最大の顧客は世界的にチェーン店を展開するマクドナルドで2020年、2021年では純売上高の10%以上を占めています。
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競合企業
ラム・ウェストン・ホールディングスの競合企業としては、ヨーロッパを中心に生産拠点を持ちベルギーに本社を置くAgristo NVや北米で4番目に大きなじゃがいもの加工業者であるキャベンディッシュファームが挙げられます。
また、オランダに拠点を置き、ジャガイモの加工業者として世界の中で上位4位に位置するAvikoやベルギーにじゃがいも製品の生産施設を持つClarebout Potatoes NVがあります。
その他にも、ケチャップで有名なクラフトハインツやアイダホ州を拠点とするJ.R.シンプロット・カンパニー、Farm Frites、カナダを拠点とするマッケイン・フーズなどが挙げられます。
- Agristo NV
- キャベンディッシュファーム
- Aviko
- Clarebout Potatoes NV
- クラフトハインツ
- J.Rシンプロット・カンパニー
- Farm Frites
- マッケイン・フーズ
ラム・ウェストン・ホールディングスの将来性
ラム・ウェストン・ホールディングスが主に関連する冷凍ポテトに関しては、世界の市場規模として2021年から2028年までにおおよそ1.3倍にまで拡大することが予測されています。
また、国連の世界人口推計でも2050年までにおおよそ97億人にまで人口が増加することが見込まれています。
そのため基本的には一人当たりの消費量には限界がありますが、人口自体が増えれば、消費量は増えますし、フライドポテト自体世界的に食べられているため、市場自体には問題は無いと思われます。
一方で、直近では2021年のカナダでの水害でじゃがいもの生産や流通に大きな影響がありました。
このように今後も災害や昆虫による被害、じゃがいもの病気などでじゃがいもの収穫量によって生産量が左右され、収益へ大きな打撃に遭う可能性が常にある点は懸念点だと思われます。
また、2022年度から2020年度にかけて純売上高の12%〜16%が米国からの輸出で占められており、物流の混乱や国際情勢による輸出制限などにも大きな影響を受ける可能性が予測されます。
財務状況
以下は、ラム・ウェストン・ホールディングスの財務状況などを示したものとなっています。
営業利益
上記はラム・ウェストン・ホールディングスの営業利益を示したものとなっています。
営業利益は主に企業が本業でどれくらい利益を得ているかを示すものです。
ラム・ウェスト・ホールディングスの場合、営業利益は直近の数年では徐々に減少傾向にあり、不安が残る推移となっています。
EPS
上記はラム・ウェスト・ホールディングスのEPSを示したものとなっています。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが指標となるものです。
ラム・ウェストン・ホールディングスの場合、2017年から2019年の間は上昇傾向にありましたが、その後は一変して下落傾向となっています。
営業利益率
上記はラム・ウェストン・ホールディングスの営業利益率を示したものとなっています。
営業利益率は主に10%〜15%以上が優良とされる目安だと言われています。
ラム・ウェストン・ホールディングスの場合、全体としては、目安である10%は超えているものの年々営業利益率が低下している部分は気になります。
自己資本比率
上記はラム・ウェストン・ホールディングスの自己資本比率を示したものとなっています。
自己資本比率は基本的に企業の安全性を示すもので30%以上が目安とされています。
ラム・ウェストン・ホールディングスの場合、2019年はマイナスの状態でしたがその後は上昇傾向にあります。
しかしながら依然として目安となる30%には至っていません。
営業活動によるCF
上記はラム・ウェストン・ホールディングスの営業活動によるCFを示したものとなっています。
営業活動によるCFは企業の手元現金の推移を示したものとなっています。
ラム・ウェストン・ホールディングスの場合、徐々に下落傾向にあることが分かります。
配当性向
上記はラム・ウェストン・ホールディングスの配当性向を示したものとなっています。
2019年までは下落傾向にありましたが、その後は急激に配当性向が増加、しかしこれ以上上昇してくると増配は難しくなってくるかと思われます。
事業別収益
純売上高 (百万$) | 2022 | 2021 | 2020 |
グローバル | 2064.2 | 1911.5 | 1973.6 |
食品サービス | 1318.2 | 1017.3 | 1069.1 |
小売 | 594.6 | 603.4 | 595.5 |
その他 | 121.9 | 138.7 | 154.2 |
合計 | 4098.9 | 3670.9 | 3792.4 |
上記はラム・ウェストン・ホールディングスの事業別の純売上高を示したものとなっています。
グローバル事業では、国際的に展開し、北米で上位100の飲食店舗など、食品サービスは上位100以外の飲食店や非営利団体などへの売上高が含まれています。
一方で小売では量販店など販売される冷凍ポテト製品の売上でGrow in IdahoやAlexiaや小売店の独自ブランドとして販売されているものなどが含まれています。
その他では乳製品やその他野菜などが含まれています。
配当金推移
下記は、ラム・ウェストン・ホールディングスの直近の年間配当金の推移を示したものとなっています。
西暦 | 配当金 |
2021 | 0.94$ |
2020 | 0.92$ |
2019 | 0.8$ |
2018 | 0.765$ |
2017 | 0.75$ |
コメント・考察
ラム・ウェストン・ホールディングスに関してあまり財務状況が良いとは言えません。
自己資本比率に関してはやや改善が見られますが、その他のEPSや営業利益は直近では右肩下がりで市場が拡大している割には下落が続いている印象です。
また、マクドナルドが売上高のおおよそ10%と大きな割合を占めていますが、その分マクドナルドの経営が悪化したり、世界情勢の影響で店舗を撤退すると大きな影響が出ることになります。
加えて、マクドナルドが必ずしもラム・ウェストン・ホールディングスの製品を購入し続けるという保証はないですし、仮に他の企業に乗り換えたり、自社生産に変えた場合、大きな打撃を受けることになります。
とはいえ、直近の日本のマクドナルドでフライドポテト不足が起きたにも関わらず、現地のものを使わなかったことからも見られるように品種にもこだわりがあり、流通も簡単には変えられないとこが分かります。
そう考えると、ラム・ウェストン・ホールディングスの製品から他の企業への製品へ全面的に変える可能性は直近としては少ないかと思われます。
取り扱っている証券会社
下記は米国株を取り扱う主な日本の証券会社の中でラム・ウェストン・ホールディングスの取り扱いの有無を示したものとなっています。
証券会社 | 楽天 | sbi | マネックス | DMM | Pay Pay | 松井 | 大和 | 野村 |
取り扱い有無 | 有 | 有 | 有 | 有 | 無 | 有 | 有 | 無 |
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