【米国株情報】ニュースケール・パワー(SMR)とは?将来性や配当金など解説

今回は米国株の中でもニュースケール・パワー(SMR)に関するものとなっています。(https://www.nuscalepower.com/en)

本記事はこのような疑問に答えます。

  • ニュースケール・パワーとはどのような企業か?
  • ニュースケール・パワーの将来性は?
  • 取り扱っている証券会社や財務状況は?
  • ニュースケール・パワーの配当金は?

ニュースケール・パワーとは?

ニュースケール・パワーSMR(小型モジュール式原子炉)を開発している企業です。

主な製品としては下記鋼製格納容器に囲まれた原子炉圧力容器内の炉心、ヘリカルコイル蒸気発生器、加圧器で構成された一体型の原子炉で1つにつき77MWe発電できるNPM(ニュースケール・パワー・モジュール)を提供

NPMの反応機の高さは65フィート、直径9フィートで格納容器は高さ76フィート、直径15フィートとなっており、従来の大型の原子炉のコンクリートの格納容器よりもはるかに小さい点が特徴です。

そしてNPMは地下にあるステンレス鋼で裏打ちされたプール内で運用されます。

出典:NuScale Power Corporation Annual Report

また、ニュースケールVOYGR発電所設計も提供しており、NPMを1〜4、6、12個を収容できる3つの施設サイズに対応したVOYGR発電所の導入を検討する顧客にVOYGR発電所の建設、運用、保守のライセンスを提供しています。

現在、アメリカの西部6州の公共電力システムにエネルギーを提供しているUAMPSやルーマニアの国営企業であるRoPowerの2つと契約の締結を行い、2029年から2030年に商業運転が開始されることとされています。

また、その他17の顧客とMOUを締結しています。

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競合企業

ニュースケール・パワーの競合企業としては、従来型の原子力発電技術や小型原子炉技術も開発しているウェスティング・エレクトリック・カンパニーや航空エンジンや小型原子炉技術も開発しているロールス・ロイス・ホールディングスがあります。

また、次世代の原子炉開発を行うテラパワーや小型モジュール原子炉を開発しているX-energyなどが挙げられます。

  • ウェスティング・エレクトリック・カンパニー
  • ロールス・ロイス・ホールディングス
  • テラパワー
  • X-energy

ニュースケール・パワーの将来性

ニュースケール・パワーの将来性としては不透明な部分があると言えるでしょう。

まず、一つ目の理由としては依然としてNPMの商業化、販売に至っていない点が挙げられます。

例えば、ニュースケール・パワーの最初の顧客はUAMPS(ユタ州関連都市電力システムズ)になるとされており、NPMを中核としたVOYGR-6発電所を導入することが予定されています。

しかし、商業運転が始まるのは2029年からとされているうえにNPMの初期導入計画はニュースケールとUAMPSがNPMの供給に関して拘束力のある契約を締結されることが条件とされています。

仮に拘束力のある契約が締結できなかった場合、商業運転は大きく遅れる可能性が高まります。

そのため、依然としてこのNPMを提供するために拘束力のある契約を顧客と締結できていないことそして商業化、販売に至っていないNPMがさらに遅れる可能性のある点は懸念要素だと言えるでしょう。

もう一つの理由としては発電単価の問題が挙げられます。

確かに小型の原子炉、SMRは従来の大型の原子炉と比較して小規模であるため、建設費の安さやよりシンプルな設計により施設の運用、管理のしやすいといったメリットがあります。

しかし、小型原子炉は従来の大規模な原子炉と比較して出力の小ささから発電単価が高くなることが指摘されており、稼働実績も少ないため想定よりも発電単価が高くなる恐れもあります。

想定よりも発電単価が高くなると小型原子炉への移行意欲が顧客の間で削がれる可能性が高く、この発電単価の不透明さは懸念材料と言えるでしょう。

これらの点を鑑みるとニュースケール・パワーの将来性としては不透明な部分があると言えるでしょう。

ニュースケール・パワーの今後に対する期待度

以下はニュースケール・パワーの今後に対する期待度を示したものです。

ちなみに期待度は高い順に5から1となっています。

ご自身が思うニュースケール・パワーの今後に対する期待度にぜひ投票してみてください。

ニュースケール・パワーの今後に対する期待度

財務状況

以下はニュースケール・パワーの財務状況などを示したものです。

営業利益

上記はニュースケール・パワーの営業利益を示したものです。

営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。

ニュースケール・パワーの場合、マイナスが拡大していることが見て取れます。

EPS

上記はニュースケール・パワーのEPSを示したものです。

EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされるものです。

ニュースケール・パワーの場合、マイナスとなっていることが見て取れます。

営業利益率

上記はニュースケール・パワーの営業利益率を示したものです。

営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされています。

ニュースケール・パワーの場合、マイナスが縮小傾向にあることが見て取れます。

自己資本比率

上記はニュースケール・パワーの自己資本比率を示したものです。

自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上がおおよその目安とされています。

ニュースケール・パワーの場合、30%を大きく超えていることが見て取れます。

営業活動によるCF

上記はニュースケール・パワーの営業活動によるCFを示したものです。

営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。

ニュースケール・パワーの場合、マイナスが拡大していることが見て取れます。

配当金

現時点でニュースケール・パワーは配当金を出していません。

現状ニュースケール・パワーが配当金を出すのはまだ先となりそうです。

コメント・考察

ニュースケール・パワーが展開するSMRは小型で建設費が安いことまた、モジュール形式で構成されているため、NPMを追加することで柔軟に発電能力を調整することができるのは大型の原子炉にはない魅力だと言えるでしょう。

また、原子炉では度々問題視される安全性の面においても小規模な設備であるために異常が発生した際においても大型の原子炉と比較して異常を小規模に抑えられることや停止もさせやすいなどといったメリットもあります。

加えて、ニュースケール・パワーはNRC(アメリカ合衆国原子力規制委員会)から現状唯一SMRの標準設計の認証を受けている企業であり、他の競合と比較してSMRの分野では一歩先を行っている企業であることは間違いないでしょう。

とはいえやはり現状SMRの運用実績は乏しく、商業運転が本格的に始まるまでは依然として不透明な状況であることには変わりないかと思われます。

取り扱っている証券会社

以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でニュースケール・パワーの取り扱い有無を示したものです。

証券会社取扱有無
楽天
SBI
マネックス
DMM
PayPay
松井
大和
野村

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