本記事は米国株の中でもシースリー・エーアイ(AI)に関する内容となっています。(https://c3.ai)
本記事はこのような疑問に答えます
- シースリー・エーアイとは?
- シースリー・エーアイの将来性は?
- 財務状況や取り扱っている証券会社は?
- シースリー・エーアイの配当金は?
シースリー・エーアイとは?
シースリー・エーアイは企業のAIアプリケーションやAIアプリケーションに関連するプラットフォームなどを展開している企業です。
主に5つのソフトウェアソリューションを展開しており、C3AIアプリケーションプラットフォームやC3AIアプリケーション、C3AIエクスマキナ、C3AICRM、C3AIデータビジョンを展開しています。
まず、C3AIアプリケーションプラットフォームは顧客が様々な企業のAIアプリケーションを迅速に開発、展開、管理、運用できるプラットフォームです。
このプラットフォームのメリットとしては記述するコードを大幅に削減できたりと企業のAIアプリケーションの開発者が複雑さを軽減し、迅速に行える点などが挙げられます。
次にC3AIアプリケーションでは取引情報や行動情報などから顧客満足度を監視する顧客解約管理やサプライチェーンの可視化、生産スケージュールの最適化などといった業界を横断したアプリケーションの展開。
そして、業界固有のアプリケーション例えば金融業であれば申請や承認にかかる時間を短縮するようなC3AIスマート融資や石油、ガス産業であればAIベースの生産予測を行ったりするC3AI生産の最適化などといったような業界別のアプリケーションを展開しています。
一方でC3AIエクスマキナはデータサイエンスの知識が無くとも、データサイエンスのタスクを迅速に実行出来るソリューションです。
また、C3AICRMは業界固有に設計され、顧客が企業AIを既存のCRMシステムに適用できるソリューションで、C3AIデータビジョンは、高度なデータの視覚化を行うソリューションとなっています。
主な収益としてはソフトウェアからのサブスクリプションが大きな割合を占めており、その他には消費量ベースの収益や実装サービス、トレーニングなどが含まれるプロフェッショナルサービスからの収益となっています。
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競合企業
シースリー・エーアイの競合企業としては、自動化や生産性の向上のためのAIサービスや販売や品質管理などに関連するAIソリューションを展開しているASAPPや企業のAIソリューションを提供しているSparkCongnitionがあります。
また、データサイエンスや人工知能、予測分析などのサービスを展開しているSyntelliSolutionsなどが挙げられます。
- ASAPP
- SparkCongnition
- SyntelliSolutions
シースリー・エーアイの将来性
シースリー・エーアイの将来性としてはあると言えるのではないでしょうか。
まず、一つ目の理由としては企業のAIの導入が広がりつつあることです。
例えば、IBMの世界のAI導入状況2022年によると世界のAI導入率は35%までに上昇しています。
また、特に大企業では業務の効率化や自動化の観点かつ他社との競争上の優位性を保つためにもAIの導入がますます進んでいく可能性は高いかと思われます。
そんな中でIT系の大企業であれば自社でAIアプリケーションやプラットフォームを独自に構築していくことは可能かもしれませんが、それ以外の業界の企業にとっては独自で構築するには多額のコストと労力がかかります。
その点でシースリー・エーアイなどの外部のAIソリューションを導入していく可能性が高いのではないでしょうか。
また、もう一つの理由としてはC3AIアプリケーションプラットフォームが開発者の複雑さを軽減し、簡素化を提供している点です。
企業がAIの導入に躊躇する理由としてはプログラマーなどの開発者の人材不足が一つ挙げられます。
そのような状況下でC3AIアプリケーションプラットフォームはモデル駆動型のアーキテクチャにより、開発者が長いコードを記述する必要が無く、簡素化できることでプログラマーなどの開発者の人材不足の面でも対処できるメリットがあります。
これらの点を鑑みるとシースリー・エーアイの今後としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。
シースリー・エーアイの今後に対する期待度
以下はシースリー・エーアイの今後に対する期待度を示したものです。
ちなみに期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身が思うシースリー・エーアイの今後に対する期待度に対してぜひ投票してみてください。
財務状況
以下はシースリー・エーアイの財務状況などを示したものです。
営業利益
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上記はシースリー・エーアイの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
シースリー・エーアイの場合、全体としてマイナスであり、2022年は特にマイナスが拡大していることが見て取れます。
EPS

上記はシースリー・エーアイのEPSを示したものです。
EPSはおおよそ右肩上がりとなっているかが主な指標となるものです。
シースリー・エーアイの場合、マイナス幅は縮小していますが現状マイナスからは転換できていません。
営業利益率
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上記はシースリー・エーアイの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされています。
シースリー・エーアイの場合、全体としてマイナスで推移しており、2022年は特にマイナス幅が拡大していることが見て取れます。
自己資本比率
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上記はシースリー・エーアイの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので、30%以上がおおよその目安とされています。
シースリー・エーアイの場合、2021年にはプラスに転換し、80%前後で推移していることが見て取れます。
営業活動によるCF
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上記はシースリー・エーアイの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示すものです。
シースリー・エーアイの場合、マイナス幅が増加傾向にあることが見て取れます。
事業別収益
下記はシースリー・エーアイの事業別収益を示したものです。
収益(千$) | 2022 | 2021 | 2020 |
サブスク | 206916 | 157366 | 135394 |
プロフェッショナルサービス | 45843 | 25851 | 21272 |
合計 | 252759 | 183217 | 156666 |
配当金
現在シースリー・エーアイは配当金を出していません。
現状配当金を出すのはまだ先となりそうです。
コメント・考察
C3AIのソリューションはシェルのメキシコ湾の石油プラットフォームのための実装やカーギルの食品生産や流通の最適化のために拡大されるなど実装の幅は広がっており、AIアプリケーションなど事業自体の見通しとしては明るい部分があるのかと思われます。
一方で財務状況に関してはお世辞にも良いとは言えず、営業利益のマイナスは拡大していますし、営業活動によるCFのマイナスも続いており、現金が流出する状態が続いています。
こんな中でシースリー・エーアイはサブスクリプションから利用量に応じた料金制度へと転換の方針を行なっています。
これに関してサブスクリプションの場合、中小企業などではコストが高すぎるなどの背景があり、顧客の層を増やすため、また利用量の多い顧客からはサブスクよりも収益が高くなるからこのような転換の方針が取られているのだと思われます。
しかし、この転換方針は安定的なサブスクリプションの割合が小さくなることで収益の不安定さが増す可能性が高く、また使用量の大きい顧客からは反発が起きる可能性があり、顧客離れに繋がる可能性もあります。
そのため、今後このサブスクリプションベースから従量課金制への転換の影響が今後の鍵を握ることになるのではないかと思われます。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社のなかでシースリー・エーアイの取扱の有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 有 |
松井 | 有 |
PayPay | 有 |
野村 | 有 |
大和 | 有 |
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