本記事は米国株の中でもパロアルトネットワークス(PANW)に関する記事となっています。(https://www.paloaltonetworks.com)
本記事はこのような疑問に答えます
- パロアルトネットワークスとはどのような企業か?
- パロアルトネットワークスの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- パロアルトネットワークスの配当金は?
パロアルトネットワークスとは?
パロアルトネットワークスは、サイバーセキュリティに関するハードウェア及びソフトウェア製品を扱っている企業です。
主に製品とサブスクリプションの形態でサイバーセキュリティ製品を提供しています。
まず、製品の方では機械学習などを活用、包括的なファイアウォールを行い、事業や小規模事業者からデータセンターなど規模に合わせたPA-410から最上位のPA-7080まであるハードウェア製品があります。
また、集中型の管理製品であるPanoramaのソフトウェアライセンス製品などがあります。
一方でサブスクリプションでは処理能力を超える大量のデータなどを送り、その脆弱性を利用する攻撃であるバッファオーバーフローや過剰な負荷をかけるDoS攻撃などによる侵害を防ぐThreatPrevention。
外部から遠隔操作できるように攻撃するC2トラフィックを検出し、防止するAdvancedThreatPreventionや機械学習を活用して悪意あるドメインを事前にブロックし、防止するDNSセキュリティ。
IoTセキュリティやSaaSセキュリティ、組織内での支社間や支社から本社などの全てのトラフィックを検証できるプリズマクラウド。
標的攻撃や内部関係者の悪用などを検出し、防止できるコーテックスXDRなど他にもさまざまなサイバーセキュリティに関連するサブスクリプションを提供しています。
また、カスタマーサポートなど購入後のサポートサービスも提供しています。
収益としては、2022年度ではサブスクリプションとサポートで総収益の75.2%を占めていました。
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競合企業
パロアルトネットワークスの競合企業としては、SecureXプラットフォームやIoT向けの産業用セキュリティなどさまざまなサイバーセキュリティ製品を展開するシスコシステムズが挙げられます。
また、QuantumやCloudGuardといったようなサイバーセキュリティ製品を展開するチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズやFortiGate、FortiManagerなどのサイバーセキュリティ製品を展開するフォーティネットがあります。
その他にもゼットスケーラーやクラウドストライクなどといった企業も競合として挙げられます。
- シスコシステムズ
- チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ
- フォーティネット
- ゼットスケーラー
- クラウドストライク
パロアルトネットワークスの将来性
パロアルトネットワークスの将来性としては明るい面が多いのではないかと思われます。
例えば、企業などのデジタル化が進む中で、サイバーセキュリティの重要性はますます大きくなっていくことが考えられます。
その点で、クラウド型セキュリティやネットワークセキュリティなど様々なサイバーセキュリティを展開するパロアルトネットワークスにはプラスの流れだと思われます。
また、パロアルトネットワークスはハードウェア製品も提供しており、競合が分散しているサイバーセキュリティの市場において囲い込みがしやすい点やサブスク型で比較的収益が安定しやすい点が利点として挙げられます。
加えて、パロアルトネットワークスの展開するサイバーセキュリティ製品はデジタル化にある現在は企業にとって重要なインフラに近い製品であり、不況下にあっても企業はコスト削減の対象にはしにくいです。
よってこれらのデジタル化が進んでいる点、ハードウェアや収益が安定しやすいサブスク型である点、そして企業のコスト削減に合いにくい製品である点など期待が持てる部分は多いかと思われます。
財務状況
以下はパロネットワークスの財務状況などを示したものとなっています。
営業利益
上記はパロアルトネットワークスの営業利益を示したものとなっています。
営業利益は基本的に企業が本業でどれくらい利益を得たのかを示すものです。
パロアルトネットワークスの場合、2021年まではマイナス幅が拡大していましたが、2022年ではマイナス幅の拡大から縮小に転じていることが見て取れます。
EPS
上記はパロアルトネットワークスのEPSの推移を示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標となります。
パロアルトネットワークスの場合、2021年までは順調な右肩上がりを続けていましたが、2022年では減少に転じていることが見て取れます。
営業利益率
上記はパロアルトネットワークスの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされています。
パロアルトネットワークスの場合、基本的にはマイナスを推移していることが見て取れます。
自己資本比率
上記はパロアルトネットワークスの自己資本比率を示したものとなっています。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すものでおおよそ30%以上が目安とされています。
パロアルトネットワークスの場合、減少傾向にありかつ一桁台にまで下がっている点でやや安定性に不安が残ります。
営業活動によるCF
上記はパロアルトネットワークスの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは企業の手元現金の推移を示しています。
パロアルトネットワークスの場合、徐々に上昇傾向にあることが分かります。
事業別収益
以下は事業別のパロアルトネットワークスの事業別の収益を示したものです。
全体としては収益は増加傾向にあり、特にサブスク、サポートの収益が大きな割合を占めていることが見て取れます。
収益(百万$) | 2022 | 2021 | 2020 |
製品 | 1363.1 | 1120.3 | 1064.2 |
サブスク、サポート | 4138.4 | 3135.8 | 2344.2 |
合計 | 5501.5 | 4256.1 | 3408.4 |
配当金
現時点でパロアルトネットワークスは配当金を出していません。
配当金を出すとしても、もう少し先となりそうです。
コメント・考察
パロアルトネットワークスの営業利益は依然としてマイナスで推移していますが、事業別収益からも分かる通り、比較的安定的な収益が見込めるサブスク収益は増加傾向にあります。
その点で本業の収益自体には問題は無いと言えます。
出典:Palo Alto Networks,Inc 2022 Annual report
また、営業利益はマイナスと言っても上記は2022年度の総事業費を示していますが2022年度の総事業費のうち約10億1000万ドルは株式報酬で企業からの現金の流出を伴わない支出です。
そのため、営業利益がマイナスでも営業活動によるCFは大きく増加傾向にあるのでしょう。
いずれにしても顧客企業などにとって重要で支出を減らすことが難しいサイバーセキュリティの分野かつ継続的な収益が見込めるサブスク事業の収益自体が増加傾向にあることは好ましい状況にあると思われます。
一方で気になる部分としては自己資本比率が一桁台にまで落ちてきているというところでしょう。
確かにパロアルトネットワークスは2019年に10億ドルの自社株買いを承認するなど自己資本比率が低下する活動をおこなってきているのですがそれにしても一桁台にまで自己資本比率が落ち込んできている部分はやはり気になる部分と言えそうです。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社のなかでパロアルトネットワークスの取り扱いの有無を示したものです。
証券会社 | 楽天 | sbi | マネックス | PayPay | DMM | 松井 | 大和 | 野村 |
取り扱い有無 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 |
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