本記事は米国株の中でもゼネラル・エレクトリック(GE)に関する記事となっています。(https://www.ge.com)
本記事はこのような疑問に答えます
- ゼネラル・エレクトリックとはどのような企業か?
- ゼネラル・エレクトリックの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や配当金は?
- ゼネラルエレクトリックの財務状況は?
ゼネラル・エレクトリックとは?
ゼネラル・エレクトリックは、175カ国以上で製品やサービスを提供しているコングロマリット企業です。
主な事業は4つ存在し、航空やヘルスケア、再生可能エネルギー、GEパワーに分かれています。
まず、航空事業では民間の商用航空機のジェットエンジンや軍用機のジェットエンジン、航空機システムなどの設計、製造しています。
また、修理やメンテナンスなどアフターマーケットサービスも展開しています。
次にヘルスケア事業ではMRIやX線検査などのためのソフトウェア製品や臨床モニタリング、急性期治療システムなどを提供しています。
3つ目に再生可能エネルギー事業では陸上の風力発電のタービンの製造や風力発電の発電パフォーマンスなどを管理できるデジタル化、水力発電の設計や建設、管理などを行なっています。
そして、GEパワーではガスタービンや石油、ガスなどのエネルギー事業者や鉄道、鉱業事業者など向けのモーター、発電機の製造、子会社を通して原子炉の設計などを行なっています。
2021年にはスピンオフ化を発表しており、2023年にはヘルスケア事業の分社化、2024年には再生可能エネルギー、GEパワー事業などが合わせて分社化、航空事業がゼネラルエレクトリックに残る形となります。
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競合企業
ゼネラル・エレクトリックの競合企業としてはシーメンスから分社化し、ガスタービンや発電機、再生可能エネルギーに関連する製品などを扱っているシーメンス・エナジーが挙げられます。
また、同じくシーメンスから分社化し、MRIや超音波画像診断装置、X線検査の機器やヘルスケアのソフトウェア製品などを展開するシーメンスヘルスニアーズや産業用のソフトウェアを扱うシーメンスがあります。
他にも航空機のエンジンやエネルギー事業者向けの機器、産業用ソフトウェアなどを展開するコングロマリットであり、以前ゼネラル・エレクトリックとの合併も持ち上がっていたが、断念することになったハネウェル。
日本企業では発電用タービンや航空機エンジン、発電プラントなどを展開する三菱重工などが挙げられます。
- シーメンス・エナジー
- シーメンスヘルスニアーズ
- シーメンス
- ハネウェル
- 三菱重工
ゼネラル・エレクトリックの将来性
ゼネラル・エレクトリックは、電化製品やエンジン、モーターといったような製品を作っているもの作りのコングロマリット企業といった印象が強いかと思います。
現在は、再びそのような製品を作る方向に戻っていますが、リーマンショック以前は製品などの利益が落ち込み、GEキャピタルという金融事業に収益を依存していました。
そんな中でリーマンショックが起き、金融に依存していたゼネラル・エレクトリックは大打撃を受け、GEキャピタルからの完全脱却が行われたのです。
しかし、その後も金融事業は完全に売却したはずなのに保険事業が残っており、しかもそれが上層部すら把握していなかったことなどコングロマリットの複雑さかつ全体の把握のしにくさなどのデメリットが目立ってきていました。
その後はGEの特徴であるコングロマリットに拘り、そのままの路線でかつてのGEの復興を図る元CEOのイメルト氏から外部出身のカルプCEOに変わり、GEの復興のためにはコングロマリットの解体も辞さない考えに変わっています。
その結果がGEが2021年に発表した3社への段階的なある種のコングロマリットの解体なのでしょう。
現段階はゼネラル・エレクトリックの長年続いた低迷の立て直しの過渡期と言え、なんとも言えない部分がありますが、一般的に分社化は事業がスリム化することで統制が取れやすく、以前よりも全体としては大きくなる可能性が高いです。
そのため、長年低迷が続き、全体の把握が難しくなっていたゼネラル・エレクトリックにとって今回の分社化はプラスであり、それぞれの事業にとって明るい兆しとはなっているのではないでしょうか。
財務状況
以下はゼネラル・エレクトリックの財務状況などを示したものとなっています。
営業利益
上記はゼネラル・エレクトリックの営業利益を示したものとなっています。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
ゼネラル・エレクトリックの場合、2021年はやや戻しましたが、全体としては大幅な減少傾向にあることが見て取れます。
EPS
上記はゼネラル・エレクトリックのEPSを示したものとなっています。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標となるものです。
ゼネラル・エレクトリックの場合、全体として右肩下りの傾向にありましたが、2021年は大きく増加していることが見て取れます。
営業利益率
上記はゼネラル・エレクトリックの営業利益率を示したものとなっています。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされています。
ゼネラル・エレクトリックの場合、全体としては減少傾向にあるうえ、2018年以降は一桁台まで下がっており、やや不安な点かと思われます。
自己資本比率
上記はゼネラル・エンレクトリックの自己資本比率を示したものとなっています。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので、30%以上がおおよその目安とされています。
ゼネラル・エレクトリックの場合、上昇傾向にはありますが30%には達しておらずやや安定性に懸念があるかと思われます。
営業活動によるCF
上記はゼネラル・エレクトリックの営業活動によるCFを示したものとなっています。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
ゼネラル・エレクトリックの場合、2019年は一時的に大きく上昇しましたが、全体としては減少傾向にあります。
配当性向
上記はゼネラル・エレクトリックの配当性向を示したものとなっています。
ゼネラル・エレクトリックの場合、2018年以降配当性向の幅が大きく変動していることが見て取れます。
事業別収益
収益(百万$) | 2019 | 2020 | 2021 |
航空事業 | 32875 | 22042 | 21310 |
ヘルスケア事業 | 19942 | 18009 | 17725 |
再生可能エネルギー事業 | 15337 | 15666 | 15697 |
GEパワー | 18625 | 17589 | 16903 |
合計 | 86778 | 73306 | 71635 |
上記はゼネラル・エレクトリックの主な事業別収益を示したものです。
全体として再生可能エネルギーを除き、収益は減少傾向にあることが分かります。
配当金推移
以下はゼネラル・エレクトリックの直近10年の年間配当金の推移を示したものとなっています。
西暦 | 配当金 |
2021 | 0.18$ |
2020 | 0.04$ |
2019 | 0.04$ |
2018 | 0.37$ |
2017 | 0.84$ |
2016 | 0.93$ |
2015 | 0.92$ |
2014 | 0.89$ |
2013 | 0.79$ |
2012 | 0.7$ |
コメント・考察
ゼネラル・エレクトリックは最も特徴的だったコングロマリットが解体に向かうことになってしまいましたが、競合企業であるシーメンスも分社化を行い、他にも3Mなども分社化進んでおり、複合企業の解体は現在の潮流のようです。
ただ、現在の変化の早い状況下の中では低迷していたゼネラル・エレクトリックが分社することはそれぞれの事業にとってメリットの方が多いかと思われます。
一方で分社化をしても冷蔵庫から電球、タービンなど様々な製品を製造し、2004年には時価総額1位であったようなかつてのゼネラル・エレクトリックが戻ってくる可能性は少ないでしょう。
他方で財務に関しては、営業利益が大きく下がっていますが、2020年は特に人流抑制で飛行機が飛ばなかったことにより、航空機のエンジンの販売が落ち、在庫が積み上がったことなどが理由として挙げられます。
また、財務全体として事業の分社化のため事業売却や再編が進んでおり、現状は判断がしづらいですが、ゼネラル・エレクトリックに残る事業は航空事業のみとなるため、今後全体としての営業利益などの全体としての財務は縮小すると思われます。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている日本の証券会社の中でゼネラル・エレクトリックの取り扱いの有無を示したものとなっています。
証券会社 | 楽天 | sbi | マネックス | DMM | PayPay | 松井 | 大和 | 野村 |
取り扱い有無 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 |
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