今回は米国株の中でもエノビクス(ENVX)に関する内容となっています。(https://www.enovix.com)
本記事はこのような疑問に答えます
- エノビクスはどのような企業か?
- エノビクスの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- エノビクスの配当金は?
エノビクスとは?
エノビクスは3Dシリコンリチウムイオン電池を取り扱っている企業です。
主な製品である3Dシリコンリチウム電池の特徴としてはバッテリーの充電時にリチウムイオンを蓄える負極であるバッテリーのアノードに100%シリコンを使用することで従来のリチウムイオン電池より理論上2倍以上のリチウムを蓄えられ、全体的な容量の増加が可能。
従来のアーキテクチャではシリコンを少量以上使うことで膨張、亀裂が生じるというデメリットがありましたが、エノビクスの3Dセルアーキテクチャによってその問題を解決しています。
製造や開発などは本社のあるカリフォルニア州フリーモントで行われています。
2022年にはスマートウォッチやその他のIoT機器などのウェアラブルデバイス向けのサイズを最初の生産ラインであるカリフォルニア州のFab-1で生産開始。
また、東南アジアで二番目の製造スペースとなるFab-2を探しており、2024年に第二世代の製造ラインで生産を開始する予定であり、年間950万から1890万の製造が可能とされています。
加えて2023年にはスマートフォン向けサイズをFab-1で生産開始予定としており、電気自動車向けのサイズの開発にも取り組んでいます。
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競合企業
エノビクスの競合企業としては幅広いニーズに合わせたリチウムイオン電池を展開しているパナソニックや同じくリチウムイオン電池を展開しているアンプレックステクノロジーがあります。
また、シリコン主体のリチウムイオン電池を展開しているEnevateやバッテリーの開発を行うLGエネルギーソリューションズなどが挙げられます。
- パナソニック
- アンプレックステクノロジー
- Enevate
- LGエネルギーソリューションズ
エノビクスの将来性
エノビクスの将来性としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。
まず、一つ目の理由としてはエノビクスの展開する3Dシリコンリチウムイオン電池が従来のリチウムイオン電池と比較して優れている部分が多い点が挙げられます。
例えば、3Dシリコンリチウムイオン電池は従来のグラファイトを使用するリチウムイオン電池に比べてバッテリーの充電速度が早くなることや蓄えられるリチウムの量が増え、蓄えられる容量が増加する点が挙げられます。
また、従来のシリコンリチウムイオン電池は100回ほどの充電で容量が急速に減ってしまうという問題点がありました。
しかし、エノビクスの3Dアーキテクチャにより確実に500回の完全な充電を達成し、従来のリチウムイオン電池の300〜500と同程度またそれ以上の充電サイクルの可能性を示しており、充電回数の増加が見込まれるなどの利点があります。
これらの3Dシリコンリチウムイオン電池の多くの利点は従来型のリチウムイオン電池や問題点のあるシリコンリチウムイオン電池を展開する企業との大きな差別化となる可能性が高いと言えるでしょう。
二つ目の理由としてはより高性能なリチウムイオン電池の需要が大きくなってきている点が挙げられます。
例えば、電気自動車では3Dシリコンリチウムイオン電池を活用することで従来のリチウムイオン電池に比べて電気自動車の後続距離を伸ばすことができたり、より高速充電を可能にしたりすることができます。
また、他にも従来のリチウムイオン電池に比べて高いエネルギー密度を保持することでIoTの場面でより高度な処理能力や処理速度を要するAIやセンサー、高速接続などより多くの消費電力の需要に応えることができます。
そのため、従来型のリチウムイオン電池より性能の高い3Dシリコンリチウムイオン電池の需要は電気自動車やAI、IoTなどによって増加していく可能性が高いと言えるのではないでしょうか。
これらの点を踏まえるとエノビクスの将来性としては期待できる部分は大きいと言えるのではないでしょうか。
エノビクスの今後に対する期待度
以下はエノビクスの今後に対する期待度アンケートを示したものです。
期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身が思うエノビクスの今後に対する期待度にぜひ投票してみて下さい。
財務状況
以下はエノビクスの財務状況などを示したものです。
営業利益
上記はエノビクスの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に本業で得た利益を示したものです。
エノビクスの場合、マイナスが拡大していることが見て取れます。
EPS
上記はエノビクスのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされるものです。
エノビクスの場合、全体としてマイナスで推移していることが見て取れます。
営業利益率
上記はエノビクスの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上がおおよそ優良な企業の水準とされています。
エノビクスの場合、マイナスの値であることが見て取れます。
自己資本比率
上記はエノビクスの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上がおおよその目安とされています。
エノビクスの場合30%は超えており、上昇傾向にあることが見て取れます。
営業活動によるCF
上記はエノビクスの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
エノビクスの場合、マイナスが拡大していることが見て取れます。
配当金
現時点でエノビクスは配当金を出していません。
現状エノビクスが配当金を出すのはまだ先となりそうです。
コメント・考察
エノビクスは2021年度には収益が無かったものの、2022年度には620万ドルとわずかながら収益を計上し始めたことは一歩前進したと言えるでしょう。
また、確かにリチウムイオン電池の市場は電気自動車会社自体が開発を進めているなど競争の激しい市場ではあると思われます。
しかし、それ以上に市場の幅が広いのは確かと言えるでしょう。
例えば、電気自動車やAI、IoT市場拡大でより需要が増すことはさることながら、5Gの普及でも需要が増すことが考えられます。
5Gが普及することでスマホなどの通信機器で高速かつ大容量のデータ通信を可能にしますが、より電力が必要とされるためより高い性能なバッテリーが必要とされるからです。
その点でエノビクスの扱う3Dシリコンリチウム電池の必要とされる市場は従来のリチウムイオン電池よりも大きく、競争の激しいリチウムイオン電池の市場でも競争力発揮し、市場拡大の恩恵を得られるポテンシャルは備わっていると言えるのではないでしょうか。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でエノビクスの取り扱い有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 無 |
松井 | 有 |
PayPay | 無 |
大和 | 有 |
野村 | 無 |
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