本記事は米国株の中でもダラーツリー(DLTR)に関する記事となっています。
本記事ではこのような疑問に答えます
- ダラーツリーとはどのような事業を行っているのか?
- ダラーツリーの将来性や財務状況は?
- 配当金は出しているのか?
- ダラーツリーを扱っている証券会社は?
ダラーツリーとは?
ダラーツリーはアメリカとカナダでディスカウントストアを展開している企業です。
ディスカウントストアは、低価格帯の商品を販売している小売店でダラーツリーは日本で言うところの100円ショップに近い小売企業といえます。
店舗はアメリカとカナダにおいて2022年1月時点で16077店舗を展開していて、8061店舗のダラーツリーと8016店舗のファミリーダラーに分かれています。
ファミリーダラー自体は別の企業でしたがダラーツリーが買収し、現在ではダラーツリーの傘下となっています。
ダラーツリーでは基本的に1.25$で固定価格の店舗と3$と5$の価格があるダラーツリープラスがあり、食品や雑貨、生活用品、ハロウィンやクリスマスなど季節に合わせた用品などを取り扱っています。
一方で、ファミリーダラーでは1$〜10$の範囲の商品を取り揃えており、ダラーツリーの店舗と比較してやや高めの商品も取り扱っている店舗となっています。
また、2021年には即日配達と買い物代行を行なってくれるインスタカートと提携し、直接ファミリーダラーの店舗に行かず、オンラインで購入できるサービスを開始しています。
加えて、ファミリーダラーの店舗の商品の商品は、14%が米国で様々な小売店に卸売を行うマクレーンカンパニーからの調達となっています。
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競合企業
ダラーツリーの競合企業としては同じようにディスカウントストア、1$ショップを展開し、北米で最大の店舗数を誇るダラーゼネラルが挙げられます。
競合であるダラーゼネラルは以前、現在ダラーツリーの傘下にあるファミリーダラーを買収しようとしていましたが、独占禁止法の懸念などで拒否され今の状態となっています。
また、競合としては基本的には99セント均一で商品の販売を行なっている99センツ・オンリー・ストアズ。
加えて、日本で100円ショップを展開し、DAISOで知られ日本だけでなくアメリカなどの海外でも店舗を展開する大創産業があります。
- ダラーゼネラル
- 99センツ・オンリー・ストアズ
- 大創産業
ダラーツリーの将来性は?
ダラーツリーが主に展開するアメリカでは、貧富の格差が大きく主に1$ストアなどのディスカウントストアを利用するのは所得の低い人が中心なのが現状です。
出典:世界経済のネタ帳
上記のグラフは、アメリカのインフレ率の推移を示したものとなっています。
ただし、上記のように2022年現在の高いインフレ下では、比較的高所得の世帯も支出を抑えるために、デイスカウントストアを利用することも増えてきているようで、高いインフレ下では顧客層の増加が見込めそうです。
ただ、ダラーツリーも値上げの波には逆らえなかったようで、ダラーツリーの基本価格を1$から1.25$に値上げしています。
これにはダラーツリー、ダラー(1$)といっているのにこれでは「1.25$ツリー」じゃないかと批判されている部分もあり、安さを売りにしている分、値上げには強い批判にさらされる面があります。
また、1$ストアはdmenuマネーのコラムなどでも語られているように品質の面などであまり良い印象を持たれていないようです。
その点で海外進出を進める日本の大創産業などが品質の面で追い上げてきている現状があります。
正直安さが売りであるため、より品質の面では高い大創産業などがアメリカの市場に参入してくると価格帯が同じであれば、そちらに顧客が流れてしまう可能性はあり得るかと思われます。
財務状況
以下はダラーツリーの財務状況を示したものとなっています。
営業利益
上記はダラーツリーの営業利益を示したものとなっています。
営業利益は主に企業が本業でどれくらい利益を得たのかを示しています。
ダラーツリーの場合、やや増減はしていますが、ほとんど横ばいといった形となっています。
EPS
上記はダラーツリーのEPSを示したものとなっています。
EPSは一般的に右肩上がりとなっているかが指標となります。
ダラーツリーの場合、2018年から2019年にかけては減少が見られますが、その後は増加傾向にあることが分かります。
営業利益率
上記はダラーツリーの利業利益率を示したものとなっています。
営業利益率は一般的に10%〜15%以上がおおよそ優良とされる水準と言われています。
ダラーツリーの場合、営業利益率は10%には届いておらず、やや低い傾向にあることが見て取れます。
自己資本比率
上記はダラーツリーの自己資本比率を示したものとなっています。
自己資本比率は基本的に企業の安定性の目安とされ、目安としては一般的に30%以上が好ましいとされています。
ダラーツリーの場合、2019年以降やや下がってはいますが、目安とされる30%は上回っていることが分かります。
営業活動によるCF
上記はダラーツリーの営業活動によるCFを示したものとなっています。
営業活動によるCFはおおよそ企業の手元現金の推移を示しています。
ダラーツリーの場合、2021年には大きく手元現金の推移が増加していることが分かりますが、2022年になると大きく減少させていることが見て取れます。
事業別収益
営業利益(百万$) | 2022 | 2021 | 2020 |
ダラーツリー | 1607 | 1598 | 1670.2 |
ファミリーダラー | 543.1 | 655.6 | -74.9 |
上記はダラーツリーの事業別の営業利益を示したものとなっています。
ダラーツリーの店舗は、2021年は2020年と比較して減少が見れrますが、その後の2022年では再び増加に転じていますが、2020年を超えるには至っていません。
一方で、ファミリーダラーの方は、2020年ではマイナスでしたが、その後は大幅に増加していることが見て取れます。
配当金
ダラーツリーは現時点では配当金を出していません。
そのため現時点では配当ではなく事業への成長、株価の伸びで還元するつもりといったところでしょうか。
コメント・考察
ダラーツリーと競合のダラーゼネラルの違いを問われていることがたまにありますが、企業が違うだけで正直なところあまり違いは無いです。
例えば、日本でDAISOは確かに100均の中では特徴的かもしれませんが、多くの人にとって100均は100均でそこまで企業の違いを意識しないような感じです。
また、ダラーツリーや他の競合にも言えることですが、基本的には安さを売りにしているため、薄利多売なのが否めません。
米国企業は二桁以上の営業利益率の企業が多く営業利益率が高いことが多いですが、ダラーツリーは営業利益率は6%〜7%前後と低いことからも薄利多売なのが分かるかと思われます。
この営業利益率が6%〜7%という水準は競合のダラーゼネラルと比較してもやや低い水準です。
この原因としては、店舗のダラーツリーの2022年の営業利益率は11.5%対してファミリーダラーの方が4.4%とファミリーダラーの方が押し下げているのが原因と思われます。
今後この営業利益率の特に低いファミリーダラーの方をいかに上げられるかに注目といったところでしょうか。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社のなかでダラーツリーの取り扱いの有無を示したものとなっています。
証券会社 | 楽天 | マネックス | sbi | DMM | 松井 | PayPay | 大和 | 野村 |
取り扱い有無 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 無 | 有 | 有 |
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