今回は米国株の中でもイーライ・リリー(LLY)に関してです。(https://www.lilly.com)
本記事はこのような疑問に答えます。
- イーライ・リリーとはどのような企業か?
- イーライ・リリーの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- イーライ・リリーの配当金は?
イーライ・リリーとは?
イーライ・リリーは約110カ国で医薬品の販売を行っている製薬会社です。
主な製薬製品としては糖尿病向け医薬品や腫瘍学製品、免疫学製品、神経科学製品、その他医薬製品を扱っています。
糖尿病向け医薬品ではBasaglarやヒトインスリン類自体のHumalog、ヒトインスリンのHumulin、2型糖尿病治療のためのJardiance、腫瘍学製品では癌治療用のAlimtaやCyramza、Erbituxなどを展開しています。
一方で免疫学製品では関節リウマチやアトピー性皮膚炎などの治療のためのOlumiant、脊髄関節炎などの治療のためのTaltzや神経科学製品では繊維筋症、慢性腰痛などの治療のためのCymbaltaなどを提供。
その他医薬品製品では前立腺肥大症などのためのCialisや骨粗鬆症などのためのForteoなどを展開しています。
主な顧客としては卸売業者であるマッケソンやアメリソースバーゲン、カーディナルヘルスとなっています。
また、直近ではがん治療の開発を行っているポイント・バイオファーマ・グローバルなどを買収しています。
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競合企業
イーライ・リリーの競合企業としてはスイスに拠点を置き、医薬品の開発などを行っているノバルティス・ファーマや英国に拠点を置き、製薬やヘルスケア事業を展開しているグラクソ・スミスクラインがあります。
また、ワクチン開発などを行っているファイザーや医薬品、バイオ製品などを開発しているメルクなどが挙げられます。
- ノバルティクス・ファーマ
- グラクソ・スミスクライン
- ファイザー
- メルク
イーライ・リリーの将来性
イーライ・リリーの将来性としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。
まず、一つ目の理由としてはチルゼパチドが肥満症薬として期待されている点が挙げられます。
イーライ・リリーが展開しているチルゼパチドは現状主に2型糖尿病の治療薬として承認されていますが、直近の臨床試験では投与された患者が約23キログラム体重を減らすことが確認されており、肥満症治療薬としても期待されています。
仮に今後肥満症治療薬としても承認されれば、現状実際に使用されている競合の約16キログラムの減量が期待されるウェゴビーよりも臨床段階では効果が高く、優位性があります。
そのため、イーライ・リリーのチルゼパチドが肥満症薬としても承認されればより需要の高い市場へのアクセスが期待できると言えるでしょう。
もう一つの理由としてはアルツハイマー治療薬のドナネマブを開発している点が挙げられます。
イーライ・リリーは現状アルツハイマー治療薬のドナネマブを開発していますが、このドナネマブは米国のFDAが重篤な疾患の治療のための薬剤開発や審査を迅速化するためのブレイクスルーセラピーに指定されています。
実際にイーライ・リリーはドナネマブを米国のFDAや日本の厚生労働省に承認申請を行なっており、今後承認されることになれば、世界的に進行している高齢化と関連して拡大しているアルツハイマーに対する治療需要に応えられる可能性が高いと言えるでしょう。
これらの点を鑑みるとイーライ・リリーの将来性としては期待できるのではないかと思われます。
イーライ・リリーの今後に対する期待度
以下はイーライ・リリーの今後に対する期待度を示したものです。
ちなみに期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身が思うイーライ・リリーの今後に対する期待度にぜひ投票してみてください。
財務状況
以下はイーライ・リリーの財務状況などを示したものです。
営業利益
上記はイーライ・リリーの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
イーライ・リリーの場合、上昇傾向にあることが見て取れます。
EPS
上記はイーライ・リリーのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされるものです。
イーライ・リリーの場合、2022年はやや減少していますが全体としては右肩上がりとなっています。
営業利益率
上記はイーライ・リリーの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされるものです。
イーライ・リリーの場合、全体として15%を超えていることが見て取れます。
自己資本比率
上記はイーライ・リリーの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上が目安とされています。
イーライ・リリーの場合、改善傾向にはありますが30%を下回っていることが見て取れます。
営業活動によるCF
上記はイーライ・リリーの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
イーライ・リリーの場合、2022年ではやや減少していることが見て取れます。
配当性向
上記はイーライ・リリーの配当性向を示したものです。
イーライ・リリーの場合、やや減少していることが見て取れます。
配当金
以下はイーライ・リリーの直近10年の年間の配当金を示したものです。
西暦 | 配当金 |
2022 | 3.92$ |
2021 | 3.4$ |
2020 | 2.96$ |
2019 | 2.58$ |
2018 | 2.25$ |
2017 | 2.08$ |
2016 | 2.04$ |
2015 | 2$ |
2014 | 1.96$ |
2013 | 1.96$ |
コメント・考察
イーライ・リリーのチルゼパチドは先進国などを中心に肥満が世界的にも問題となっている中でそれに対処する治療薬として承認されれば需要の高い治療薬になる可能性は高いと言えるでしょう。
ただし、一部の市場ではこの肥満症に対する効果がいわゆる痩せ薬として名前だけが先行し、過熱気味の部分があるのは否めないように思われます。
現状イーライ・リリーのチルゼパチドは元はと言えば糖尿病の治療薬でその派生として肥満症の薬として開発されているような形です。
よって今のところ開発用途は肥満症の部分に対する治療薬であり、健康な人がより美容のために使うような痩せ薬ではなく、健康者の人が使用すると強い副作用などが危惧されています。
そのため、現状の一部のイーライ・リリーへの痩せ薬としての期待を寄せている市場の加熱はやや的外れな部分があると言わざるおえないでしょう。
また、需要や市場の大きい肥満症への治療薬ですがそれだけに開発競争も激しく、今後ジェネリック医薬品などとの競争も増えてくる点は気になる部分だと思われます。
イーライ・リリーはどこで買える?
以下は米国株の中でもイーライ・リリーの取り扱い有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 有 |
PayPay | 有 |
松井 | 有 |
野村 | 有 |
大和 | 有 |
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