【米国株情報】ファースト・ソーラーとは?将来性や配当金、財務状況など解説

今回は米国株の中でもファースト・ソーラー(FSLR)に関するものとなっています。(https://www.firstsolar.com/ja-JP/)

本記事はこのような疑問に答えます

  • ファースト・ソーラーとはどのような企業か?
  • ファースト・ソーラーの将来性とは?
  • 取り扱っている証券会社や財務状況は?
  • ファースト・ソーラーの配当金は?

ファースト・ソーラーとは?

ファースト・ソーラーは、薄膜太陽電池モジュールを製造、販売している企業です。

主な製品としてはテルル化カドミウム薄膜を使用し、その薄膜をガラスパネルで挟んだ構造で約1.2メートル×約1.8メートルの太陽電池モジュール、シリーズ6及びシリーズ6プラスを展開しています。

ちなみに2022年末時点でファースト・ソーラーのモジュールの平均出力は467ワットとなっています。

また、2023年の初頭には米国の製造施設で、2023年の後半にはインドシリーズ7モジュールを生産開始する予定となっています。

主な顧客としては2022年に太陽電池モジュールの純売上高のそれぞれ10%以上を占めていたIntersectPowerLightsourceBPネクステラ・エナジーがあります。

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競合企業

ファースト・ソーラーの競合企業としては単結晶、多結晶シリコン太陽電池モジュールを展開しているカナディアン・ソーラーや同じく多結晶太陽電池モジュールを展開しているトリナ・ソーラーがあります。

また、高効率の太陽電池モジュールを展開しているサンパワーや単結晶シリコン太陽電池モジュールを展開しているジンコ・ソーラーなどが挙げられます。

  • カナディアン・ソーラー
  • トリナ・ソーラー
  • サンパワー
  • ジンコ・ソーラー

ファースト・ソーラーの将来性

ファースト・ソーラーの将来性としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。

まず、一つ目の理由としてはファースト・ソーラーの太陽電池モジュールは従来のシリコン太陽電池モジュールと比較して多くの優位性がある点が挙げられます。

例えば、ファースト・ソーラーが展開している太陽電池モジュールは、テルル化カドミウム薄膜を活用することで従来のシリコンモジュールと比較してテルル化カドミウムが太陽光を効率的に吸収することできます。

そのため、従来のモジュールと比較してファースト・ソーラーの太陽光電池モジュールは、同じ面積でより多くの電力を生成できます。

また、従来のシリコンモジュールと比較して光の吸収率が高いため、曇天下や日没時など低い光量下でも変換効率を比較的維持できることや高温下でも比較的性能が低下しにくいという利点があります。

このように従来型のシリコンモジュールと比較してファースト・ソーラーの太陽電池モジュールは効率性などの面で利点が多く、優位性があると言えるのではないでしょうか。

もう一つの理由としてはインドでの事業拡大を進めている点が挙げられます。

現状、ファースト・ソーラーの純売上高の約83%が米国からとなっていますが、今後経済発展の見込まれるインドでの事業拡大を進めており、約3.3GWの太陽電池モジュール施設の開発、建設を進めています。

また、ファースト・ソーラーの展開するテルル化カドミウム薄膜を活用した太陽電池モジュールはインドのような高温多湿の気候の環境下でも適している部分があります。

その点で再生可能エネルギーを2030年までに500GWまで増加させることを掲げるインド市場において拡大する需要をうまく取り込める可能性が考えられるのではないかと思われます。

これらの点を鑑みるとファースト・ソーラーの将来性としては期待できる部分があると言えるのではないでしょうか。

ファースト・ソーラーの今後に対する期待度

以下はファースト・ソーラーの今後に対する期待度を示したものです。

ちなみに期待度は高い順に5から1となっています。

ご自身が思うファースト・ソーラーの今後に対する期待度にぜひ投票してみてください。

ファースト・ソーラーの今後に対する期待度

財務状況

以下はファースト・ソーラーの財務状況などを示したものです。

営業利益

上記はファースト・ソーラーの営業利益を示したものです。

営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。

ファースト・ソーラーの場合、2022年にマイナスに転換していることが見て取れます。

EPS

上記はファースト・ソーラーのEPSを示したものです。

EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされるものです。

ファースト・ソーラーの場合、右肩上がりとはなっていないことが見て取れます。

営業利益率

上記はファースト・ソーラーの営業利益率を示したものです。

営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされています。

ファースト・ソーラーの場合、2021年には15%の水準にまで達していましたが、2022年にはマイナスとなっていることが見て取れます。

自己資本比率

上記はファースト・ソーラーの自己資本比率を示したものです。

自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上が目安とされています。

ファースト・ソーラーの場合、30%を大きく上回る水準であることが見て取れます。

営業活動によるCF

上記はファースト・ソーラーの営業活動によるCFを示したものです。

営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。

ファースト・ソーラーの場合、2022年に大きく上昇していることが見て取れます。

事業別収益

以下はファースト・ソーラーの事業別収益を示したものです。

収益(千$)202220212020
モジュール242827823313801736060
その他191041591997975272
合計261931929233772711332
参照:FirstSolar,Inc Annual Report

配当金

現時点でファースト・ソーラーは配当金を出していません。

現状、ファースト・ソーラーが配当金を出すのはまだ先となりそうです。

コメント・考察

従来の太陽電池モジュールは結晶シリコン半導体を使用しているため、その結晶シリコンの供給において最大の生産国である中国のサプライチェーンに依存する部分があります。

しかし、米国は中国からの太陽光発電パネルに関わるシリコン関連製品の輸入禁止措置を行なうなど結晶シリコン半導体を使用した太陽電池モジュールのサプライチェーンには情勢不安も付き纏います。

一方でファースト・ソーラーのテルル化カドミウム薄膜を活用した太陽電池モジュールは、結晶シリコン半導体を使用していないため、中国でのサプライチェーンに依存していません

この点は情勢不安の懸念がある結晶シリコンのサプライチェーンに依存しないファースト・ソーラーは供給の面で利点があると言えるのではないでしょうか。

他方でテルル化カドミウムは公害の問題となったカドミウム単体と比較すると毒性は低いものの毒性があることは事実であり、導入には強い批判もある部分は懸念要素だと言えるでしょう。

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