本記事は米国株の中でもセレンス(CRNC)に関する内容となっています。(https://www.cerence.com)
本記事はこのような疑問に答えます
- セレンスとはどのような企業か?
- セレンスの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- セレンスの配当金は?
セレンスとは?
セレンスとは自動車や輸送市場向けにAI搭載の仮想アシスタントの構築を行なっている企業です。
セレンスのソフトウェアプラットフォームでは音声認識や自然言語理解、音声信号強化、テキスト読み上げ、音響モデリング技術を利用して、会話型のAIベースのソリューションを提供しています。
また、セレンスのソフトウェアプラットフォームはカスタマイズが可能で音声、タッチ、手書き、視線追跡、ジェスチャー認識など幅広いモードを可能にした仮想アシスタントを構築可能。
出典:Cerence Inc Annual Report
ちなみに上記画像のようにこのソフトウェアプラットフォームは車両にインストールされ、外部のアクセス無しに動作できるエッジソフトウェアコンポーネントと外部のアクセスによって強化されるクラウド接続コンポーネント。
また、これらをリンクするソフトウェアフレームワークで構成されています。
主な顧客にはトヨタやGM、フォルクスワーゲン、日産、BMW、フォードなどの主要自動車メーカーやOEMなどがあります。
2022年度にはセレンスのソリューションは、4億5000万台以上の自動車に設置されています。
主な収益としてはエッジソフトウェアコンポーネントによる永久ソフトウェアライセンスの販売やクラウド接続コンポーネントによるサブスクリプション、OMEとの作業などによるプロフェッショナルサービスからとなっています。
a
競合企業
セレンスの競合企業としては、仮想アシスタントのSiriを展開しているアップルやGoogleアシスタントを展開しているGoogleが挙げられます。
また、Alexaを展開しているAmazonや音声認識技術プラットフォームのHoundifyなどを展開しているサウンドハウンド、音声アシスタントサービスなどを展開するテンセントなどがあります。
- アップル
- Amazon
- Houndify
- テンセント
セレンスの将来性
セレンスの将来性としては期待の持てる部分はあるかと思われます。
理由としてはセレンスのソリューションの汎用性の高さが挙げられます。
例えば、セレンスのプラットフォームを活用することで自動車メーカーは独自の音声アシスタンスの構築や独自のデータの保持ができます。
一方でセレンスのプラットフォームはサードパーティの仮想アシスタントを統合も可能で、競合でもあるSiriやGoogleアシスタント、アレクサなどといった複数の仮想アシスタントとの共存が可能です。
その点でセレンスのソリューションがある種のハブとしても機能し、自動車メーカーの運転に焦点を当てた仮想アシスタンスと顧客が日常的使う仮想アシスタンスの共存ができることで自動車メーカーのニーズや自動車の乗客の利便性向上が両方図れる点で利点です。
また、特に自動車メーカーはビッグテック企業が参入してくるにつれて情報を握られることに対して強い不安を感じているため、豊富なデータ提供が行われる点でもセレンスのプラットフォームのメリットと言えるでしょう。
これらの点を踏まえるとセレンスの今後としては期待の持てる部分はあると言えるのではないでしょうか。
財務状況
以下はセレンスの財務状況などを示したものです。
営業利益
-57.png)
上記はセレンスの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示すものです。
セレンスの場合、2021年は一時的に大きく増加していますが、全体としては微増傾向にあることがわかります。
EPS

上記はセレンスのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標となるものです。
セレンスの場合、全体として右肩上がりとなっていることが見て取れます。
営業利益率
-59.png)
上記はセレンスの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上がおおよそ優良な企業の水準とされています。
セレンスの場合、2021年を除くと基本的に11%前後で推移していることが分かります。
自己資本比率
-59.png)
上記はセレンスの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上がおおよその目安とされています。
セレンスの場合、やや減少傾向にはありますが、全体として30%よりは上回っていることが見て取れます。
営業活動によるCF
-56.png)
上記はセレンスの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示すものです。
セレンスの場合、2021年まではプラス推移していましたが、2022年では一転してマイナスとなっていることが見て取れます。
事業別収益
以下はセレンスの事業別の収益を示したものです。
収益(千$) | 2022 | 2021 | 2020 |
ライセンス | 158610 | 202183 | 164268 |
コネクテッドサービス | 85571 | 109534 | 97469 |
プロフェッショナルサービス | 83710 | 75465 | 69230 |
合計 | 327891 | 387182 | 330967 |
配当金
現在セレンスは配当金を出していません。
現状セレンスが配当金を出すのはまだ先となりそうです。
コメント・考察
セレンスにとってビックテック企業との競合は脅威であることは間違いないと言えるでしょう。
しかし、現状ではビックテック企業が開発している仮想アシスタンスはスマートホンベースであるため、走行音などがする車内環境ではあまり向かない部分もあります。
その点でセレンスのプラットフォームとビックテック企業のサードパーティの仮想アシスタンスを統合することで音声入力の品質を高め、機能を向上させることができるため共存自体は可能かと思われます。
一方でセレンスの収益に関しては特にライセンスの販売などは車の生産状況に大きく依存します。
その点で直近では半導体不足による自動車の納期の遅れなどセレンスの収益に大きな影響を実際に2022年度は受けていますし、今後もこのような自動車生産の低下などの影響を受ける可能性は高いと言えるでしょう。
また、電気自動車や自動運転が拡大するにつれて自動車メーカーの情勢は大きく変化する可能性が高く、自動車メーカーの情勢の変化によってはセレンスの収益にも大きな影響を与えることは否定できないかと思われます。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を扱っている主な日本の証券会社の中でセレンスの取り扱いの有無を示したものです。
証券会社 | 楽天 | sbi | マネックス | DMM | PayPay | 松井 | 大和 | 野村 |
取扱有無 | 有 | 有 | 有 | 有 | 無 | 無 | 有 | 無 |
---
コメント