本記事は米国株の中でも3Dシステムズ(DDD)に関する内容となっています。(https://www.3dsystems.com)
本記事はこのような疑問に答えます
- 3Dシステムズとはどのような企業か?
- 3Dシステムズの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- 3Dシステムズの配当金は?
3Dシステムズとは?
3Dシステムズは、3Dプリンターや3Dプリンターに関連する製品を展開している企業です。
主な顧客の産業は歯科や医療機器、再生医療などのヘルスケアや宇宙航空、防衛産業、輸送、一般製造産業。
製品としてはプラスチックや金属、ワックス、バイオインク用の3Dプリンターやその3Dプリンター用の材料、プラスチックやナイロン、金属、複合体、エラストマー、ワックス、ポリマー歯科材料、生体適合性材料などを含む材料を取り扱っています。
また、CADデータの準備や最適化、積造プロセスを管理するための3DSprintや3DXpert、寸法検査などを行うGeomagicといったようなソフトウェアやスキャナー、触覚デバイスなどのデジタル設計ツールを展開しています。
ソフトウェアではライセンス製品に加えて、ソフトウェアメンテナンスやサブスクリプションで提供しています。
そして、3Dプリンターの使用方法のトレーニングや保守サービスも展開しています。
加えて、高度な製造サービスも展開しており、テスト生産やヘルスケア産業や航空宇宙、防衛産業向けに接続的なアウトソーシング生産を行っています。
再生医療分野にも積極的な投資をしており、2021年にはバイオプリンティングを展開するVolumetricBiotechnologiesの買収を行っています。
その他にも2021年にはクラウドベースの製造オペレーションシステムプラットフォームを展開するソフトウェア企業、Oqtonや金属3Dプリントの印刷準備とワークフローのシュミレーションベースの最適化や自動化を手がけるAdditiveWorksの買収を行っています。
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競合企業
3Dシステムズの競合企業としては、産業用の3Dプリンターやそれに関連する材料、設計ツールなどを展開しているVoxeljetや歯科、医療向けや耐久消費財、自動車などの産業向けの3Dプリンターや材料、ソフトウェアなどを展開するCarbonがあります。
また、3Dプリントのソフトウェアや3Dプリントの製造サービスなどを展開しているマテリアライズNV、ドイツに拠点を置き金属やプラスチック用のプリンターなどを展開するEOSなどが挙げられます。
- Voxeljet
- Carbon
- マテリアライズNV
- EOS
3Dシステムズの将来性
3Dシステムズの将来性としてはあると言えるのではないでしょうか。
理由としては、まず産業用途では3Dプリンターが普及していく可能性が高い点です。
確かに家庭用としては用途があまり無かったりと利点が少なく、紙のプリンターと比べて3Dプリンターの普及要素は少ないですが産業向けとしては利点が多く普及要素が大きいです。
例えば、3Dプリンターを導入することで人件費を削減できたり、大量生産による在庫を抱え込んでしまうことを無くすことや度々問題となるサプライチェーンの簡素化、試作品の金型からの情報流出を防げるなど多くのメリットが存在します。
このような多くの利点があるとすると産業用途としては3Dプリンターが今後普及していく可能性は高いと言えるでしょう。
もう一つの理由としては、継続的な収益を見込める部分が多くある点です。
仮に上記の多くの利点から産業用途の3Dプリンターが普及した場合、3Dプリンターの導入が増えるのに従って本体の収入だけでなく、継続的な収益が増加します。
例えば、当然ですが3Dプリンターを使用するたびに材料が必要となりますが、3Dシステムズはその材料を独自で配合、開発しており、その材料費が定期的に収益として得られます。
また、3Dプリンターの点検などが定期的に必要になりますが、その保守サービスからの収益や設計などに関連するソフトウェアのサブスクリプションがあります。
このように3Dプリンターの導入が広がると、本体の販売、単体の収益だけでなく継続的な収益が増え、安定的な収益が見込めます。
一方で3Dシステムズは2021年時点で世界で1332件と多くの特許を保有しており、優位性もあります。
これらの点を踏まえると3Dシステムズの今後としては期待できる部分があると言えるのではないでしょうか。
財務状況
以下は3Dシステムズの財務状況などを示したものとなっています。
営業利益
上記は3Dシステムズの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示しています。
3Dシステムズの場合、2021年でややマイナス幅は縮小していますが、全体としてはマイナスで推移していることが見て取れます。
EPS
上記は3DシステムズのEPSを示したものです。
EPSはおおよそ右肩上がりとなっているかが主な指標とされています。
3Dシステムズの場合、2021年は大きく伸びが見られましたが、
営業利益率
上記は3Dシステムズの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされています。
3Dシステムズの場合、全体としてマイナスの推移であることが見て取れます。
自己資本比率
上記は3Dシステムズの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上がおおよその目安とされています。
3Dシステムズの場合、全体として減少傾向にはあるものの、30%以上はキープしていることが見て取れます。
営業活動によるCF
上記は3Dシステムズの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示すものです。
3Dシステムズの場合、2020年は一時的にマイナスとはなるものの、2021年には大きくプラスとなっていることが見て取れます。
事業別収益
以下は3Dシステムズの事業別の収益を示したものです。
サービス収益では2020年と比較して2021年では減少していることが見て取れますが、これは事業売却からの影響と見られています。
収益(千$) | 2021 | 2020 |
製品 | 428742 | 332799 |
サービス | 186897 | 224441 |
合計 | 615639 | 557240 |
配当金
現在、3Dシステムズは配当金を出していません。
現状収益は留保することを明記しており、配当金を出すとしてもまだ先となりそうです。
コメント・考察
3Dプリンターは産業用途ではメリットが多いことに加えて、適応する素材の種類も増えつつあるためより製造できる幅が広がっていくことが期待できるかと思います。
実際に3Dシステムズもバイオプリンティングに関連する企業を買収するなど再生医療にも積極的に展開しており、対応できる幅は広がりつつあります。
一方で製造業の中でも特に緊急を要する場合のある防衛産業でのサプライチェーンの簡素化は非常に重要であるため、3Dプリンターはより重要視される可能性は高いかと思われます。
そんな中で、3Dプリンター産業はドイツ企業など米国企業の以外の企業の興隆もありますが、防衛産業のサプライチェーンに関連するとなると米国の防衛産業では米国企業である3Dシステムズの方が安全保障条の観点から優位性があるのではないでしょうか。
また、3Dプリンターの産業の中ではどちらかというと古参企業にはいる3Dシステムズですが、3Dプリンター産業は新興企業が増えてきており、今後も新興系の3Dプリンターの企業は増えていくででしょう。
今後そのような企業といかに差別化を図れるかが今後の鍵となるのではないかと思われます。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社のなかで3Dシステムズの取扱有無を示したものです。
証券会社 | 楽天 | sbi | マネックス | DMM | 松井 | PayPay | 大和 | 野村 |
取扱有無 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 無 | 有 | 有 |
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