本記事は米国株の中でもベリトーン(VERI)に関する内容となっています。(https://www.veritone.com)
本記事はこのような疑問に答えます
- ベリトーンとはどのような企業か?
- ベリトーンの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- ベリトーンの配当金は?
ベリトーンとは?
ベリトーンとは、AIを活用したソフトウェアプラットフォームを展開している企業です。
ベリトーンの展開しているプラットフォームにはaiWAREというプラットフォームがありAIを活用してビデオや画像、音声などを自動的に認識、解析し、情報の抽出や分析などを提供しています。
ちなみに下記はaiWAREのプラットフォームを構成しているものを示したものです。
参照:Veritone,Inc Annual Report
また、aiWAREプラットフォームを活用して主に2つの商業顧客や政府、規制産業向けにアプリケーションなどのソフトウェア製品を展開しています。
まず、商業顧客向けにはaiWAREEssentialsやAttribute、デジタルメディアハブ、パンドロジック、ベリトーンボイスなどを展開しています。
aiWAREEssentialsではメディア放送局がライブやアーカイブされたメディアをaiWAREに取り込むことで物体や顔、ロゴ、キーワードなどを識別し、リアルタイムでの素早い検索や分析、キュレーションなどを提供しています。
一方でAttributeはテレビやラジオなどでのAIを活用した広告の有効性を追跡に役立ち、デジタルメディアハブはコンテンツの権利所有者がコンテンツを取り込み、管理、整理して利害関係者に安全にアクセスなどを提供できるAI対応メディア管理ソリューションを展開しています。
また、パンドロジックは求人広告の自動化など人材獲得の迅速化に関わるソリューションを提供、ベリトーンボイスは合成音声ソリューションを提供しています。
加えて、商業顧客向けには広告に関わるマネージドサービスを展開しています。
政府、規制産業向けにはaiWAREanywhereやIDentify、Illuminate、Redact、Contact、iDERMSなどを提供しています。
aiWAREanywhereは顧客がいつでもAIを利用できるようにaiWAREプラットフォームの展開オプションを提供、IDentifyは顔認証技術を活用してデータベースとカメラや写真と照合、容疑者の特定などの法執行機関向けの効率化アプリケーションを提供。
また、Illuminateはテキスト分析機能などを提供、Redactでは法務執行機関などに向けて開示要件に厳格に対応できる顔や機密情報など証拠における自動編集機能などを提供しています。
加えて、Contactはカルフォルニア州のプロファイリング収集データ要件に準拠したソリューションなどを提供し、iDERMSは公益事業者や発電事業者向けに分散型エネルギー資源の制御や予測などに関わるアプリケーションを提供しています。
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競合企業
ベリトーンの競合企業としては、IBMワトソンなどを展開しているIBMやAzureCongnitiveServicesなどを展開しているマイクロソフトがあります。
また、AIを用いたマーケティングや広告配信のソリューションを提供しているデジタル・タービンや物体認識や画像分類などに関わるAIソリューションを展開しているClarifaiが挙げられます。
他にもアクセンチュアやデロイトトーマツグループなどといった企業が競合として挙げられます。
- IBM
- マイクロソフト
- デジタル・タービン
- Clarifai
- アクセンチュア
- デトロイトトーマツグループ
ベリトーンの将来性
ベリトーンの将来性としては不安定な部分があるのではないかと思われます。
理由としては、まず一つに顧客の偏りが挙げられます。
例えば、年次報告書によるとソフトウェア製品及びサービスの2021年の総収益の81%が10社の顧客に占められており、かつそのうちの1社は57%とおおよそ半数の割合を占めていました。
このように10社という少数の顧客に大半の収益を依存している上、そのうち1社への依存度は半数を超えており、何らかの形でこの一社の収益を失えば収益の半数を失うなど不安定性が高いと言えるでしょう。
また、直近に買収したパンドロジックの事業も一つの顧客に収益を大きく依存しており、既存の事業、買収した事業ともに少数顧客への依存が大きく、顧客の偏りが懸念されます。
加えて、もう一つの理由としては、知名度の低さが挙げられます。
例えばベリトーンは競合と比較してマーケティング戦略が不十分であるという指摘もあり、よって知名度が低く、少数顧客の依存に甘んじている原因とも言えるでしょう。
また、現状知名度が低い状況にも関わらず、競合には名の知れた大企業も多いため、マーケティング戦略が不十分とも指摘される現状ではますます不利になる可能性が考えられるでしょう。
このような点を踏まえるとベリトーンの今後としては不安定な部分が大きいと言えるのではないでしょうか。
財務状況
以下はベリトーンの財務状況などを示したものです。
営業利益
上記はベリトーンの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
ベリトーンの場合、全体的にマイナスで推移していることが見て取れます。
EPS
上記はベリトーンのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標となるものです。
ベリトーンの場合、右肩上がりとなっていることが見て取れます。
営業利益率
上記はベリトーンの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされています。
ベリトーン場合、全体としてマイナスで推移していますが、マイナスは縮小していることが見て取れます。
自己資本比率
上記はベリトーンの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上がおおよその目安とされています。
ベリトーン場合、2020年までは30%を超えていたものの、2021年いは30%を大きく下回る水準となっていることが見て取れます。
営業活動によるCF
上記はベリトーンの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFはおおよそ企業の手元現金の推移を示すものです。
ベリトーンの場合、2019年にはマイナスでしたが、その後は転換してプラスの推移となり、上昇傾向にあることが見て取れます。
事業別収益
以下はベリトーンの事業別の収益を示したものです。
収益(千$) | 2021 | 2020 |
ソフトウェア製品、サービス | 59515 | 13863 |
マネージドサービス | 55790 | 43845 |
合計 | 115305 | 57708 |
配当金
ベリトーンは現在配当金を出していません。
ベリトーンが配当金を出すのはまだ先となりそうです。
コメント・考察
ベリトーンが展開するソリューションは、政府や規制産業向けにも展開しており、法務執行機関向けの業務や照合などの短縮や効率化などにも役立ち注目すべき点と言えるでしょう。
しかしながら、現状ベリトーンの政府や規制産業向けの収益は2021年において全体の収益の7%にも達しておらず、主要な収益源とはなっていません。
ただ、犯罪の捜査や公的機関が機密情報の開示などを効率的に行うためにAIを使っていく可能性は増加する可能性は高いでしょうし、年次報告書でベリトーン自体も今後このような部分で短期的にも長期的にもビジネスチャンスがあることを表明しています。
仮に今後このような需要を取り込むことができるのであれば、現状収益が一部の顧客に偏っているという点の改善にも繋がるでしょう。
とはいえ現状は政府や規制産業向けの収益は極めて少なく、うまく需要を取り込めるかは不明確であり、顧客の偏りも顕在している現状ではベリトーンの先行きは不透明かと思われます。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でベリトーンの取り扱いの有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 有 |
PayPay | 無 |
松井 | 有 |
野村 | 無 |
大和 | 有 |
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