今回は米国株の中でもティルレイ・ブランズ(TLRY)に関するものとなっています。(https://www.tilray.com)
本記事はこのような疑問に答えます。
- ティルレイ・ブランズとは?
- ティルレイ・ブランズの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- ティルレイ・ブランズの配当金は?
ティルレイ・ブランズ(TLRY)とは?
ティルレイ・ブランズは医療用、嗜好大麻の流通や生産、販売、アルコール飲料事業などを展開している企業です。
主に4つの事業を展開しており大麻事業や医薬品及びウェルネス製品の購入再販を行う流通事業、飲料アルコール事業、ウェルネスビジネス事業を展開しています。
大麻事業では医療用と嗜好用の両方を提供しており、主な医療用ブランドとしてはTilrayや2021年に買収したAphria、主にカナダで提供しているブロークンコースト、Simbios、シャーロットウェブ、ドイツ医療大麻市場向けのNavcoraがあります。
一方で嗜好用ブランドとしては乾燥花やプレロールなどを提供するB!NGOやTheBatch、ケベックブランドであるDubon、大麻成分入りのチョコレートやグミなどの食品ブランドのChowieWowieなどを展開しています。
また、飲料アルコール事業では缶のミックスカクテルやクラフトビールなどを展開するSweetWaterやブレンドバーボンウイスキー、ウォッカ、ウイスキーなどを展開するケンブリッジ蒸留所。
その他にもアルパインビールカンパニーやグリーンフラッシュ、モントークといった飲料ブランドを展開しています。
一方で直近ではカナダで医療用や嗜好用大麻を取り扱っていたHEXOを買収しています。
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競合企業
ティルレイ・ブランズの競合企業としては医療用、嗜好用の大麻や植物生産などに関わるオーロラ・カンナビスやカナダに拠点を置き、医療用や娯楽用の大麻を取り扱うクロノスグループがあります。
また、CBDベースの医薬品を開発しているCVサイエンシズや大麻、CBD製品を扱うオーガニグラム・ホールディングスなどが挙げられます。
- オーロラ・カンナビス
- クロノスグループ
- CVサイエンシズ
- オーガニグラム・ホールディングス
ティルレイ・ブランズの将来性
ティルレイ・ブランズの将来性としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。
まず、一つ目の理由としては大麻事業の買収や合併による拡大が挙げられます。
ティルレイ・ブランズは2021年にはカナダの大麻関連企業であるアフィア、2023年には同じくカナダで医療、嗜好用大麻を展開するHEXOなどを買収、合併し、世界最大の大麻関連企業となっています。
実際に現状の大麻市場の先駆的な市場であるカナダではケベック州を除くすべての州においてHifyerのデータによると直近では8.3%へと市場シェアを増加させていますし、ヨーロッパや米国などの21カ国でも医療用大麻製品を提供し、市場を拡大させています。
確かに現状は主要な市場であるカナダでは供給過剰感がありますが、直近の大麻事業の買収や合併により世界最大の大麻関連企業となったことで市場への影響力が強まり、競合よりも優位に立てやすくなった点で期待できる部分はあるかと思われます。
もう一つの理由としては飲料アルコール事業への積極的な拡大が挙げられます。
例えば、ティルレイ・ブランズは2020年にはクラフトビールを手がけるSweetWaterを買収していますし、2023年8月にはブリッケンジ・ブルワリーやブルーポイントなどを含む8つのブランドをアルコール飲料を展開するアンハイザー・ブッシュから買収しています。
これにより飲料アルコール事業が拡大することで事業の多角化が進み、現状規制緩和が進むか不透明な大麻市場への依存を縮小させることができ、仮に規制の緩和が進まなかった場合のヘッジとしての活かせる可能性は高いと言えるでしょう。
また、一方でSweetWaterなど大麻市場との関連も大きい飲料アルコール事業も展開することでスムーズに規制緩和が進んだ場合のアルコール飲料と大麻事業の掛け合わせをスムーズに行える土台も整えられるかと思われます。
この点でより安定的な飲料アルコール事業への拡大はヘッジ及び新規市場への開拓への可能性という点で期待の持てる部分があるのではないでしょうか。
これらの点を鑑みるとティルレイ・ブランズの将来性としては期待できる部分はあるかと思われます。
ティルレイ・ブランズの今後に対する期待度
以下はティルレイ・ブランズの今後に対する期待度を示したものです。
ちなみに期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身が思うティルレイ・ブランズの今後に対する期待度にせひ投票してみてください。
財務状況
以下はティルレイ・ブランズの財務状況などを示したものです。
営業利益
上記はティルレイ・ブランズの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
ティルレイ・ブランズの場合、2021年以降マイナスに転換していることが見て取れます。
EPS
上記はティルレイ・ブランズのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされるものです。
ティルレイ・ブランズの場合、右肩上がりとはなっていません。
営業利益率
上記はティルレイ・ブランズの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされるものです。
ティルレイ・ブランズの場合、2021年以降大きくマイナスの値で推移していることが見て取れます。
自己資本比率
上記はティルレイ・ブランズの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上がおおよその目安とされています。
ティルレイ・ブランズの場合、全体として30%を大きく上回った水準で推移していることが見て取れます。
営業活動によるCF
上記はティルレイ・ブランズの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
ティルレイ・ブランズの場合、2023年にはプラスに転換していることが見て取れます。」
事業別収益
以下はティルレイ・ブランズの事業別収益を示したものです。
収益(千$) | 2023 | 2022 | 2021 |
大麻事業 | 220430 | 237522 | 201392 |
流通事業 | 258770 | 259747 | 27730 |
飲料アルコール事業 | 95093 | 71492 | 28599 |
ウェルネス | 52831 | 59611 | 5794 |
合計 | 627124 | 628372 | 513085 |
配当金
現時点ではティルレイ・ブランズは配当金を出していません。
現状ティルレイ・ブランズが配当金を出すのはまだ先となりそうです。
コメント・考察
ティルレイ・ブランズは度々の買収で事業を拡大させていることが特徴的で特にアフリアとの買収、合併が大麻市場での規模の拡大を促進させた部分だと言えるでしょう。
一方で現状特に嗜好用大麻市場の中心であるカナダでは1000以上の競合が参入し、市場に対して供給が過剰となり、価格の下方圧力に悩まされている部分があります。
実際にティルレイ・ブランズはこの価格の下方圧力により、大麻事業の収益は2022年と比較して2023年は減少してしまっています。
今後も新規参入者が増加し、競争が厳しくなり、価格への下方圧力に拍車がかかる可能性も高いですが、大麻事業者の統廃合も進んでいく可能性が高いです。
その場合はすでにアフリアやHEXOなどの買収、合併を行っているようにティルレイ・ブランズは買収する側に回る可能性は高いと言えるのではないでしょうか。
そのため、現状発展段階の大麻市場において今後大麻市場での統廃合が進んだ時にいかに市場シェアを確立できているかが要となっていくかと思われます。
ティルレイ・ブランズはどこで買える?
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でティルレイ・ブランズの取扱有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 有 |
PayPay | 無 |
松井 | 有 |
野村 | 無 |
大和 | 有 |
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