本記事は米国株の中でもクラウドストライク(CRWD)に関するものとなっています。(https://www.crowdstrike.com)
本記事はこのような疑問に答えます
- クラウドストライクはどのような企業か?
- クラウドストライクの将来性
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- クラウドストライクの配当金は?
クラウドストライク
クラウドストライクはクラウド型のサイバーセキュリティを提供している企業です。
基盤としてはFalconプラットフォームというものが存在し、このプラットフォームを土台にファイアウォール管理やデバイス制御、脆弱性管理などといったクラウドモジュールと統合ができます。
このプラットフォームのメリットとしてはデータが増えることにより、常にAIによって改善されたり、セキュリティ製品の自動化などといったことが挙げられます。
また、Falconプラットフォームに統合できるクラウドモジュールとしては脆弱性やマルウェアなどを自動検出し、Falconワークロード保護や次世代型アンチウイルスなどのウイルス対策機能を提供するFalconPrevent。
ファイアウォールの作成や適用、維持管理できるFalconファイアウォール管理やアプリケーションのライセンス管理や支出分析などセキュリティ面以外にも使用可能なFalconDiscoverなどの22のクラウドモジュールが存在します。
顧客はこのクラウドモジュールを簡単に追加することが可能であり、収益としてはFalconプラットフォームなどからのサブスク収益で大半が前払いの形態となっています。
また、直近ではログ管理などに関わるHumioやSaaSベースのサイバーセキュリティに関わるSecureCircleの買収を行なっています。
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競合企業
クラウドストライクの競合企業としては、TrellixXDRといったセキュリティプラットフォームやクラウドセキュリティといったようなセキュリティ製品を展開するTrellixが挙げられます。
また、半導体製造などの他にSymantecを買収し、サイバーセキュリティなども展開するブロードコムやマルウェア対策や次世代のウイルス対策などのセキュリティ製品を展開するマイクロソフト。
AIや機械学習などを活用した統合エンドポイントセキュリティソリューションなどを展開するブラックベリーやサイバーセキュリティ製品を展開するパロアルトネットワークスなどがあります。
- Trellix
- ブロードコム
- マイクロソフト
- ブラックベリー
- パロアルトネットワークス
クラウドストライクの将来性
クラウドストライクの将来性としては高いと言えるのではないでしょうか。
理由としてはまずクラウドストライクのセキュリティは完全にクラウドベースで構築されている点です。
従来型のオンプレミスのサイバーセキュリティは自社内で機器を購入し、システムを構築したりとコストや手間がかかったり、また追加機能を加えるのにも手間がかかるといったデメリットがあります。
それに対してクラウドストライクが展開するクラウドセキュリティは導入が簡単で、後からの追加機能もモジュールを追加するだけで簡単に導入できる点でメリットがあります。
一方で従来型のサイバーセキュリティを展開している企業もクラウドセキュリティを展開し始めています。
しかし、元々クラウド用に構築されていないオンプレミス型のものに拡張的にクラウドセキュリティを展開しているためサイロ化や統合が取れていないなどの問題が生じています。
その点で、クラウドストライクは完全にクラウドベースで行われているため、従来型のような統合が取れていなかったり複雑化してしまうといったような心配が無い点で優位性があります。
また、クラウドストライクは組織内のデータを収集分析して脅威から保護するEDR市場においてIT分野を中心に調査を行うガートナーによるとマイクロソフトと並んでこの市場のリーダーとして高く評価されている点が挙げられます。
このような点からクラウドストライクの将来性としては期待が持てる部分が大いにあると言えるのではないかと思われます。
財務状況
以下はクラウドストライクの財務状況を示したものとなっています。
営業利益
上記はクラウドストライクの営業利益を示したものとなっています。
営業利益は基本的に企業が本業でどれくらい利益を得たのかを示したものです。
クラウドストライクの場合、マイナスの推移が続いていることが見て取れます。
EPS
上記はクラウドストライクのEPSは基本的に右肩上がりとなっているかが指標となります。
クラウドストライクの場合、2019年はマイナスでしたが2020年以降はプラスとなり右肩上がりとなっていることが見て取れます。
営業利益率
上記はクラウドストライクの営業利益率を示したものとなっています。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準となっています。
クラウドストライクの場合、マイナス幅は縮小してはいますが依然としてマイナスの値であることが見て取れます。
自己資本比率
上記はクラウドストライクの自己資本比率を示したものとなっています。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すものです、おおよそ30%以上が目安とされています。
クラウドストライクの場合、2020年には大きく上昇していますが、減少傾向にあり2022年では30%を下回る水準となっています。
営業活動によるCF
上記はクラウドストライクの営業活動によるCFを示したものとなっています。
営業活動によるCFはおおよそ企業の手元現金の推移を示したものです。
クラウドストライクの場合、大きく上昇傾向にあることが見て取れます。
事業別収益
収益(千$) | 2022 | 2021 | 2020 |
サブスクリプション | 1359537 | 804670 | 436323 |
プロフェッショナルサービス | 92057 | 69768 | 45090 |
合計 | 1451594 | 874438 | 481413 |
上記はクラウドストライクの事業別収益を示したものです。
サブスクリプション、プロフェッショナルサービスどちらとも収益としては増加傾向にあることが分かります。
配当金
現時点ではクラウドストライクは配当金を出していません。
現状、配当金を出すのはまだ先となりそうです。
コメント・考察
クラウドストライクの営業利益は現時点ではマイナスが続いていますが、事業別収益からも分かる通り事業のメインの収益であるサブスク自体の収益は増加傾向にあります。
また、サブスク形態は収益が安定しやすいですが、中でもセキュリティ製品は不況下でも企業は削減しずらく、顧客数も2021年度は9896だった2022年度には16325まで拡大、非常に安定した収益が積み上がってきています。
営業利益はマイナスでも、営業活動によるCFは大きく右肩上がりとなっていることから安定的な収益が見込めるサブスクが増加し、企業に流入する現金が増加していることが分かるため、営業利益のマイナスはさほど問題ではないでしょう。
加えて、営業利益率やEPSなどの指標も改善傾向が見られるため、クラウドストライクの財務状況にはそれほど大きな問題は見られないかと思われます。
収益形態の底堅さや営業利益こそマイナスですが、安定的なキャッシュフローがあることを考えればクラウドストライクは新興系のソフトウェア企業にしては安定性の高い企業だと言えるのではないでしょうか。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社のなかでクラウドストライクの取り扱い有無を示したものです。
証券会社 | 楽天 | sbi | マネックス | DMM | PayPay | 松井 | 大和 | 野村 |
取り扱い有無 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 |
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